「自分自身を変えたい」そう思っている人は少なくないだろう。ネガティブな自分を変えたい、もっと積極的になりたい、人付き合いをもっとうまくできるようにしたい。考えれば考えるほど、変えたい部分が出てくる。
では、自己変革を達成するには何が必要なのか。プロコーチとして2000人をサポートしてきた林英利さんが執筆した『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』(三笠書房刊)にはこのように書かれている。
あなた自身が、あなたにとってよき相談相手になればいいのです。(本書より)
悩みがあるときは誰かに相談するもの。そこでもらったアドバイスが人生を大きく変えることもある。しかし心から信頼できる相談相手を探すのは難しい。そこで本書が提案しているのが「セルフコーチング」という方法だ。
「セルフコーチング」とは「コーチング」を自分で行うこと。林さんはそれを「質のいい自問自答を行うこと」と言い換える。自分に問いかけ、自分自身のポジティブな面に光を当てていくのだ。では、具体的にどのようにこのスキルを活用すればいいのか。
まずは相手を「受け入れる」ではなく「受け止める」
例えば「人付き合いがもっとも上手くできるようになりたい」と思ったときにも、セルフコーチングの考え方が応用できる。そりの合わない上司やネガティブな発言ばかりしてくる同僚など、関わらなくてはいけない人たちがいる場合、彼らを「まずは受け入れる」のではなく「まずは受け止める」という姿勢が必要になる。
これは「自分の意見とは違うけれど、あなたの意見はそうなんですね」という姿勢だ。相手の考えを受け入れてしまうとストレスになる。一方で相手を拒絶すると関係性にヒビが入る。そこで、「受け入れる」と「拒絶する」の中間にある「受け止める」という姿勢を持つのだ。
相手を観察し、トリセツをつくってみる
その上で、相手の「トリセツ」を作ってみることを本書ではすすめている。相手は一体どんな人物なのか、注意すべき点は一体何なのか。相手を観察することでつきあい方の「コツ」が分かってくる。例えばこんなことを自分に問いかけてみるのだ。
・この人が、私に期待していることはなんだろう?
・この人は、どういうときに機嫌がよく(悪く)なるんだろう?
・この人と意見が違うとき、どういえば納得してくれるんだろう?
過去の出来事を思い返してみるのもいい。相手に関心を向けると、不思議と付き合いも上手くいくようになる。頼みごとをお願いするときも、相手の好きな話題を持ちかけて機嫌がよくなってからの方が引き受けてもらいやすくなるはずだ。
ただ、それでも関係がうまく築けない場合は、「もし神様が本当にいるとしたら、なぜ自分とこの人を出会わせた?」と自問自答してみよう。ここでポイントなのは、うまくいかない人との出会いにも意味があるという視点から考えることだ。そこから悩ましい人間関係を受け止めると、不思議と前向きな意見が出てくると林さんはつづる。
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本書ではセルフコーチングの方法を使った「行動力を磨くコツ」「やる気を引き出すテクニック」などが紹介されており、自分を変えたいと思っている人にとって大いに参考になる。自分に問いかける質問の質が上がれば、人生の質もまた上がっていくと林さん。「なりたい自分」があるのであれば、セルフコーチングを活用してみてはいかがだろうか。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。