au、NTTドコモ、ソフトバンクの大手携帯キャリア3社は4日、10日からショートメッセージ(SMS)機能の使用文字制限を全角70字から全角670字に拡張すると発表した。これまでは同一のキャリアに契約しているユーザー間のみ、670字での送信が可能だったが、他キャリアの携帯電話にも長文のSMSを送信できるようになった。条件は、送信相手先がSMS付きプランに加入していること。SNSサービス「LINE」に対抗する戦略の一環と見られるが、SMSは従量課金制で1回ごとに使用料金がかかるなど、まだまだ課題は多い。
目立つ使い勝手の悪さと高い料金
Twitter上などでは「ようやくキャリアのショートメッセージも670字SMS時代になったか」「親しくない人に簡単に連絡できる」「仕事で使えるレベルになった」と歓迎する声も聞かれる一方、「あまりメリットは感じない」「高い」「使い勝手が微妙」など料金や機能に対して辛口のコメントも目立った。送信料は最小70文字以内で1通3円、最大670字で1通30円かかる。また機能面でも「グループでのメッセージのやり取りができない」「画像を送れない」など課題は残されたままだ。
一方、キャリア3社は2018年5月、LINEと同じようにグループメッセージが可能だったり、動画の添付やスタンプを使うことができたりする基本無料(パケット通信代は別途必要)の発展型SMSアプリ「+(プラス)メッセージ」の提供を開始。今年7月には利用者数1000万人を突破した。
むしろLINEに対抗するのであれば+メッセージの使用感をよりブラッシュアップした方が良いように思われるのだが…。大手情報通信会社社員は次のように話す。
「LINEやインスタグラムなどSNSというもの自体に拒否感のある中高年のビジネスマンは多いです。SMSはそんな世代に昔の携帯メールと同じ感覚で使われているようです。裾野を広げて最終的には+メッセージの利用増につなげていきたいという思惑があるのだと思います」
世の中はSNS戦国時代。SMS機能は本当に生き残ることができるのか。
(文=編集部)