シャープのプラズマクラスター除菌脱臭機は、イオン濃度を従来比約2倍まで高めた「プラズマクラスターNEXT」と、吸着したニオイを分解する「光触媒脱臭フィルター」によって8大生活臭を除菌・脱臭するとのことだ。
三菱電機の「デオダッシュ」は、介護施設などにターゲットを絞ったユニークなモデルだ。粒径0.3μm以上の微小粒子状物質を99.97%除去するHEPAフィルターで花粉やハウスダストなどを除去できるだけでなく、排泄臭に多い「アンモニア」「メチルメルカプタン」「硫化水素」成分を独自配合の触媒で分解することで介護時の悩みを解決してくれる。ヒーターによって触媒の働きを促進するだけでなく、触媒の働きを再生してくれる。次亜塩素酸やオゾンのような有害物質を発生しないというのも安心できるポイントだろう。
これら大手メーカーに加えて、光触媒によって除菌・脱臭を行うカルテックの「TURNED K(ターンド・ケイ)」シリーズも登場した。こちらは光触媒だけで室内の空気を除菌・脱臭するというものだ。オゾンや次亜塩素酸のように有害物質を一切放出しない上に、活性炭フィルターなどのように一度吸着した有害物質を再放出するようなこともないと、開発したカルテックの染井潤一社長は自信を見せていた。
決め手のひとつは“作用感”と安全性のバランス
除菌脱臭機は、空気清浄機と違って“作用感”が得やすいというのがポイントだ。室内に気になるニオイがある場合、特に外出先から帰宅した際などにそのニオイを強烈に感じることは多い。しかし除菌脱臭機がしっかりと働いてくれれば、帰宅時にもその違和感や不快感を感じずにすむ。とはいえ、その作用感も毎日使っているとだんだん感じなくなるかもしれない。
そういう意味では、オゾンや次亜塩素酸を利用した除菌脱臭機は常に作用感を感じやすい。オゾンはプラズマ放電などで発生するため、地下鉄の駅構内などでそのニオイを感じたことのある人は多いはずだ。次亜塩素酸の場合、いわゆる塩素のニオイがするため、病院の待合室のような清潔感を感じる人も多いことだろう。
これらのニオイがするということは、実際に細菌やウイルス、ニオイ成分などに反応している証拠なので、実際に働いてくれているという安心感を感じる人は多いのではないかと思う。
ただし、オゾンや次亜塩素酸は人体にとっては有害物質でもある。そのため、人体に悪影響を及ぼさない濃度に抑えているとはいえ、こうした有害物質が発生しないもののほうがいいという人もいることだろう。そういう人の場合、オゾンや次亜塩素酸を用いず、フィルター吸着や光触媒・酸化触媒での分解によって除菌・脱臭を行うモデルを選ぶのがおすすめだ。
(文=安蔵靖志/IT・家電ジャーナリスト)