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三上洋「IT漂流時代」

Ustream消滅の今、理由の徹底検証からライブ配信乱立時代の生き残り策を考察

文=三上洋/ITジャーナリスト、ノダタケオ/ライブメディアクリエイター
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(3)配信者と視聴者、視聴者同士のコミュニケーション促進するための環境の構築(たくさんの人に視聴してもらうために)

・チャット機能の充実
・ソーシャルメディアとの連携強化
・コミュニティー機能の充実

(4)ライブ配信しやすい(利便性のある)環境の構築

・高画質高音質で配信できる
・パソコンでもスマホでも気軽に配信できる
・多様なコンテンツ(ジャンル)が生まれやすい

(5)配信者がマネタイズできる環境の構築

・広告だけでなく課金モデルもあり、お金を払う人が納得してお金を払うことができるサービスそのものの維持をするためのモデル
・サービスが無理をすることのない適切で健全な配信者への還元のカタチ

(6)「新しいユーザーを惹きつける多種多様なコンテンツを用意する」

・配信者(クリエーター)の育成と応援(支援)
・場合によってはにライセンス料を支払うことによって実現するアニメやドラマなどの「既存コンテンツ」の配信や、サービスが独自の「自主制作番組コンテンツ」を制作することも手段のひとつ

他のライブ配信サービスの現状の取り組み&方向性

(1)ニコニコ生放送

 ドワンゴが運営する「ニコニコ生放送」は、2010年から15年までの黎明期をつくったUstreamの最大のライバルでした。前半(10~12年)はUstreamが先行したものの、後半(13~15年)はUstreamを追い抜き追い越し、生き残りを果たしますが、今度は後発のライブ配信サービスに追いかけられ追い越されそうな苦戦を強いられています。

 これまでのサービス文化・歴史もあり、ニコ生は「パソコンで視聴することが主体」の運営が続いてきました。それによって、スマートフォン(スマホ)1台で手軽に視聴ができ、気軽に配信ができる「スマホファースト」な時代の流れに一歩後れをとりました。16年に入り、スマホを意識した施策に注力していることは伺えるのですが、いかにその遅れを取り戻すかがキーポイントとなりそうです。

(2)ツイキャス

 モイが運営する「ツイキャス」はUstreamとニコ生と共に黎明期を生き抜いたサービスですが、これら2つのサービスと異なったのは、10年のサービス開始時から一貫して「スマホ1台で手軽に視聴ができ、気軽に配信ができる」ことに注力されてきました。その結果、15年までスマホでのライブ配信はツイキャスほぼ一択で、特に若い世代のユーザー層を集めてきました。

三上洋/ITジャーナリスト

三上洋/ITジャーナリスト

1965年、東京都生まれ。東洋大学社会学部を卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、1995年から、IT全般を専門とするITジャーナリストとして活躍。文教大学情報学部でSNSやネットビジネスの講義を行う他、テレビ・ラジオでのセキュリティ解説多数。
ITジャーナリスト・三上洋のWebサイト

Twitter:@mikamiyoh

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