Facebook、脅威の「競合」に徹底的な対抗措置…他社の人気機能をそのまま再現
Facebookは、世界最大のソーシャルネットワーキングサービスだ。月間アクティブユーザー(MAU)は20億人を突破し、日間アクティブユーザーも13億2500万人に上る。
直近の2017年第2四半期決算では、売上高93億2100万ドルを記録し、純利益は38億9400万ドルを記録した。それぞれ、前年同期比45%増、71%増と、引き続き、驚異的な成長を続けている企業だ。ユーザー1人当たりからの売上は世界平均で4.73ドル、米国とカナダで19.38ドルとなっており、引き続き北米市場が中心のビジネスであることもわかる。
そんなFacebookが買収しようとして失敗し、上場を果たした企業が、Snapchatを運営する企業、Snap Inc.だ。こちらも若者には非常に人気のあるSNSアプリを提供している。17年第1四半期決算では、1億5000万ドルの売上高と、日間アクティブユーザー数1億6600万人を報告した。ユーザー1人当たりの収益は0.90ドル。それでも、前年同期比と比べ、売上高は74%増と高成長している。なお、米国時間8月10日に、同年第2四半期決算が発表される予定だ。
規模や収益性がまったく異なるFacebookはこれまで、Snapchatを目の敵にしてきた。買収を試みたことからもわかるとおり、FacebookにとってSnapchatが脅威に映っていることを表している。ではFacebookがどのようにして、Snapchat対策をしているのかをみていこう。
24時間で消える投稿が重要だった理由
Snapchatには、24時間で写真やビデオの投稿が消える「Stories」と呼ばれる機能が実装されている。広告ビジネスが主体のSNSにおいて、この「24時間で消える」という投稿機能は非常に大きな意味を持つ。
このStoriesは、24時間で削除するため、友人の投稿を確認するには毎日アプリを開かなければならず、また1日に1度もアプリを開かず何も投稿しなければ、自分の投稿は空っぽになってしまう。そのため、アプリに対してより長い時間接することになり、それだけ広告効果が高まるプラットホームへと進化することを意味する。
Snapchatは、もともとは「Sexting」(性的なメッセージや写真をやりとりすること)サービスとして生まれたため、投稿が保存されない機能が重要だったが、その期間を24時間に引き延ばすことによって、SNSに対して新たな価値を与えた、Snapの若者のセンスが光るポイントだった。