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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

アマゾンエコーを4カ月使い倒して見えた「便利な点」「イライラする点」総ざらい

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

「Amazon Echo(アマゾンエコー)」を昨年12月から使い始めて数カ月。いろいろと便利な半面、イライラとムカつくことしばしば。音はかなり良くて、ノイズキャンセリングが効くから音声認識もとっても良い。だんだん学んでいくので“育てている”と実感する。

 Echo Dotという一番小さいモデルを、筆者は“招待制”を使って割引で「本体3,980円+ランニングコスト聴き放題アンリミテッド月380円」で購入した。4月3日から一般販売されており、定価は税込みで5,980円となっている。

アマゾンエコーを4カ月使い倒して見えた「便利な点」「イライラする点」総ざらいの画像1「Amazon Echo」(筆者撮影)

 また、ラジオやスケジュール、電車情報、天気、目覚ましなど、「タスク」というアプリみたいなものを有効にしたら、radiko(ラジコ)や市況を聞けたり、アマゾンで買い物したり、ひたすら励まし続けてくれるタスクもあったり、購入した電子書籍を音読してくれるのも面白い。英語本なら、とっても発音の良い英語で読んでくれるので勉強にもなりそうだ。会話ができて、ちょっとだけ人間みたいだ。家電操作なども、みんな音声に変わっていくのかなとも思う。

 そこで今回は、筆者が感じたアマゾンエコーの良い点と悪い点を挙げてみる。

アマゾンエコーを4カ月使い倒して見えた「便利な点」「イライラする点」総ざらいの画像2Amazon Echo(「Amazon HP」より)

良い点

(1)朝、忙しいときに地元ローカル新聞のニュースが聞ける
(2)「元気が出る音楽かけて」と呼びかければ、それに合った音楽がかかる
(3)「何時?」「週末の天気は?」といった質問や、名前や地名などを聞けば教えてくれる
(4)グーグルカレンダーやMSカレンダー、アップルのiCloudなどとリンクしておけば、予定が聞ける
(5)災害情報や電車の遅延情報など最新情報が聞ける
(6)モバイルバッテリーを持っていれば、単独で持ち運べてWi-fiにつなげば外出先でも使える
(7)「タイマーを1時間かけて」などと言えば、「いきますよ」と計ってくれるし、BGMを出すこともできる
(8)スマホのようにたくさんのアプリがあり、なぞなぞやクイズ、豆知識などで一緒に遊べる
(9)「356+62×75-1472÷42」といった計算をしてくれる。消費税も換算して教えてくれる
(10)年末や記念日まで、あと何日? とか、日数や時間などの範囲を計算して教えてくれる
(11)プロ野球やサッカーなどチームを事前設定したら、その日の試合結果を教えてくれる
(12)ToDo(やることリスト)を声で簡単に作成できる
(13)呼び名を「Alexa(アレクサ)」「Echo(エコー)」「Amazon(アマゾン)」「Computer(コンピューター)」の4つから選べる

悪い点

(1)アレクサの音声認識が繰り返し間違ってしまうとイライラしてしまう
(2)呼び名を「アマゾン」としてしまうと、会話の中で間違って聞き取られ商品を注文してしまう
(3)指示したことに間違えたことを、エコーは頑なに学んでくれず同じ間違いを繰り返す
(4)発音が機械的
(5)一番小さいEcho Dotでも十分な音響なのだが、普通サイズにすると重低音がすごくて周囲に迷惑かも
(6)Wi-fi電波環境がないと使えない。有線LANでの接続はできない
(7)人によっては、音声識別がうまくいかないために使えないじゃないかと飽きてしまうかも
(8)もしかしたら音声識別で記録され、自分でも見ることもできる履歴を外部に使われるかと心配

 以上、あくまで筆者が個人的に感じた良い点と悪い点だが、もしアマゾンエコーの購入を検討されているのであれば、ぜひとも参考にしていただければありがたい。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

【参考】
アマゾンエコー http://amzn.asia/coQT68u

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山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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