そんなドライブレコーダーだが、製品ごとに性能を比較するうえでは、何が基準になってくるのだろうか。
「ドライブレコーダーは安いもので5000円程度からラインナップされており、よく売れているのは1万円台の製品なのですが、5万円くらいするものも人気があります。値段が高い製品のなかには、前だけでなく後ろの映像も撮れるようにカメラが2つセットになったものが多く、あおり運転には特に効果を発揮してくれるでしょう。
また、ドライブレコーダーには“画角”という要素があり、これはどのくらい広い範囲の録画に対応しているかを表しています。事故が起きやすいのは自分の車の前後ですが、ほかの車が左右から飛び込んでくる可能性も考えられますので、最低でも、フロントガラスいっぱいのエリアを映し出せなければなりません。ドライブレコーダーを取りつける位置にもよるのですが、だいたい画角110度以上の製品を選ぶのが目安です。
なお、画角が広くなるにつれ、遠くのものはより小さく映るようになります。つまり、細部を鮮明に撮るための解像度が求められるわけですが、これはHD(1280×720画素)からフルHD(1920×1080画素)のクラスで充分ではないでしょうか。なかには解像度が4K(3840×2160画素)というドライブレコーダーもあるものの、ここまでいくと録画のデータサイズが大きくなりすぎてしまい、逆に扱いにくいのです。解像度は高ければ高いほどいいのかというと、そうとは限らないということですね」(同)
ドラレコをより賢く安全に使うには、どの機能を取捨選択するべきか
昨今では基本の録画機能に加え、さまざまな安全運転支援機能を備えたドライブレコーダーも少なくないのだが、意外にも会田氏は「ほとんどアテにならない」と語る。
「確かにドライブレコーダーのなかには、先行車が発進したときに教えてくれるもの、制限速度を超えたときにアラートが鳴るものなどもあります。ただ、こういった安全運転支援機能は、自動車自体にもともと同じような機能が標準装備されていることがあり、しかもドライブレコーダーの機能はそこまで精度が高くないというのが実情です。自分で取りつけたドライブレコーダーですと、なおさら期待できませんから、製品選びの決め手にはしないほうがいいでしょう。
ちなみに、あおり運転対策としては“ドライブレコーダー監視中”と書かれたステッカーを車に貼るのも抑止力になります。というのも、車の後ろがスモークで暗くなっていれば、たとえ本当はドライブレコーダーが設置されていなかったとしても、外側からはわからないものです。ステッカーは1枚300円くらいで買えますし、近頃はドライブレコーダーに同梱するメーカーも出てきました」(同)