若者のテレビ離れは年々、深刻化しているが、家電製品のテレビそのものは、変わることなく売れ続けている。その背景には、見たい時に好きな作品だけを視聴できる動画配信アプリの存在が大きい。若者たちは、徐々に地上波から動画配信アプリへと移っていったのだが、最近のテレビリモコンにはそのような動画配信アプリの覇権争いがしっかりと反映されている。
2023年6月1日に投稿された、SHARP シャープ株式会社@SHARP_JPさんの「ちなみに2023年上半期、リモコン上で繰り広げられる、どこで何を見るかの群雄割拠の現状です。」というツイートには、2023年上半期に発売されたテレビのリモコンの画像が添えられていた。この投稿には、2.7万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
ちなみに2023年上半期、リモコン上で繰り広げられる、どこで何を見るかの群雄割拠の現状です。 pic.twitter.com/5Pouusi5Ak
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) June 1, 2023
デザイン面はイマイチだが、便利で使いやすい!
ツイートの写真に写っているテレビのリモコンには、「NETFLIX」や「TVer」、「Disney+」など、10個の動画配信アプリのボタンが搭載されている。ボタンごとに各自が好きなアプリを割り当てるのではなく、最初からボタンにきっちりとアプリ名まで印字されているのがポイントだ。地上波を視聴する際に押す数字のボタンよりも、これらのアプリのボタンの方が、リモコン上の押しやすい場所に配置されていることが、「若者のテレビ離れ」をまさに物語っているのではないだろうか。
ずらりと並んだ動画配信アプリの中には、月額制のサブスクに加入しなければ使えないサービスもあるにもかかわらず、リモコン上でこれほどのスペースを取っているというのは、やはりそれだけユーザーの数が多いのだろう。各サービスが日々覇権争いにしのぎを削っているのが一目、見ただけでよくわかる。
リモコンとしては、イマイチ見た目がスッキリしないので、デザイン面ではかなりマイナスだが、使いたいアプリがワンプッシュで立ち上げられるのは、ユーザーとしてもかなり使い勝手がよいはずだ。
ボタンだけでも宣伝効果はかなりある!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「この手の物理キーでよく思うのは、サービス終了したものや新しくサービスが開始されたものに対してのアップデートが出来ないんじゃないかというところですね」といった、物理ボタンであるが故のデメリットを指摘する声や、「ボタン位置のポジション争いとかあるのかなw」と、ボタンの配置場所に関しても、何か順位があるのではないかといった声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
また、コメントの中には「動画配信企業自ら、資金を家電メーカーに提供してリモコンにボタンを入れてもらっていると聞いた事があります」と、裏事情を暴露する声もあがっている。実際に、この話が本当なのかどうかはわからないが、たしかに、直通のショートカットのようなボタンがリモコンにあるというのは、アプリ側としてはかなり有利だ。
ユーザーが現時点では、そのアプリを利用していなくても、毎日リモコンに触るたびに、ロゴは必ず目にするわけなので、宣伝効果はかなり期待できそうである。長期の休みや親せきが集まった時などに、ふと付けてみようかとなる可能性はかなり高い。
Fire TV Stickよりも、簡単にアプリが起動できる
添付されたリモコンの写真を見ながら、筆者の家で利用している動画配信アプリはいくつあるかを数えてみたところ、「NETFLIX」「Prime video」「FOD」「TVer」「Disney+」「YouTube」の6つのアプリをよくテレビで視聴していた。
地上波に関しては、地震などの災害時以外はほとんど見ることがなく、普段はAmazonのFire TV Stickを経由して動画配信アプリを利用している。Fire TV Stickは、起動からアプリの立ち上げまでに若干、時間がかかるので、ぜひ機会があれば画像のようなリモコンを使ってみたい。
2023年上半期に発売されたテレビのリモコンから、動画配信アプリの覇権争いがわかるという今回のツイート。読者の皆さんも、写真のリモコンにボタンが搭載されていた動画配信アプリを、普段からよく利用されているのではないだろうか。
※サムネイル画像(Image:「SHARP シャープ株式会社(@SHARP_JP)」さんより引用)