100均のダイソーに行くとUSB対応のACアダプタ(充電器)がたくさん売られていますよね。最近は330~770円と高価な製品も見かけるようになりましたが、本当に価格に見合った性能を持っているのでしょうか? そこで今回は、筆者が770円で売られているACアダプタを購入してみました。パッケージには「PD20W」「QC18W」対応と謳ってありますが、本当なのか実際にスマホやパソコンを充電してテストしてみました。果たしてその結果は!?
ダイソーの770円で売られているACアダプタは他の製品と何が違うの?
最近、スマホやタブレット、ゲーム機などのポータブルデバイスの充電には、USBケーブルを使うものが増えてきました。
当然、コンセントで充電するには、別途ACアダプタ(充電器)も必要になるわけですが、会社と自宅用にそれぞれ欲しくなりますよね。
そこで筆者がダイソーに行ってみたところ、USB Type-A対応ACアダプタの1ポートタイプは220円、2ポートタイプは330~550円ほどで売られていました。
しかし、なかには高速充電機能「Power Delivery(PD)」や「QuickCharge(QC)」に対応すると謳う高性能機も売られています。どうせなら高速充電できるものを買いたいところですが、本当にそのような性能を備えているのでしょうか?
そこで今回は、筆者がダイソーで770円のPD20W対応のACアダプタ「超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20W」を実際に購入して、スマホやパソコンなどで、どのくらいの性能が出るのかテストしてみました。
●ダイソー「超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20W」は→こちら
■超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20Wのスペック
【サイズ】2.7×4×4.2cm
【USBポート】2ポート
Type-C(5V/3A・9V/2.22A・12V/1.66A)
Type-A(3.6-6V/3A・6.1-9V/2A・9.1-12V/1.5A)
【高速規格】
Type-C=Power Delivery3.0(20W)
※iPhone 8以降が対応
※MacBookPro(2018年)は非対応
Type-A=QuickCharge 3.0(18W)
【価格】770円(税込)
【製造】(株)ラティーノ
なお、ダイソーで330~550円ほどで売られているACアダプタに関しては、こちらの記事でテストしていますので、ぜひ参考にしてください。
iPhoneとAndroidスマホの充電で検証してみた
それでは、ダイソーで770円で販売されている「超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20W」を使ってスマホを充電してみましょう。今回はiPhone 13とAndroidスマホのOPPO Reno5 Aで実験してみます。
まず、iPhoneをApple純正のUSB Type-Aで接続した場合は5.02V/1.06A=5.32Wでした。通常は7W程度で充電できるはずなので、やや遅い印象です。
次に、ダイソーで1,100円で販売されているPD対応のUSB Type-C-Lightningケーブルを使用して充電してみます。
その結果は9.05V/1.25A=11.34WでUSB Type-Aよりも2倍以上高速に充電できることが確認できました。
ちなみに、以前筆者が実験したダイソーで770円の「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」を使って実験したときは、同条件で9.15V/1.87A=17.07Wでしたので、このACアダプタはiPhoneと相性がよくないのかもしれません。
一方、AndroidスマホのOPPO Reno5 AをダイソーのUSB Type-Cケーブル(PD対応)に接続したところ、9.06V/1.39A=12.56Wという結果になりました。
こちらは、以前実験したダイソーの「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」のときとほぼ同じ結果です。また、USB Type-A接続時はAndroidスマホが9.02V/0.77A=6.92Wでしたので、Androidスマホのほうは問題ありませんでした。
パソコン(MacBook)の充電で検証してみた
それでは次に、スマホより電力を必要とするパソコンで充電実験をしてみます。今回はMacBookを用意しました。
まず、USB Type-Cで接続すると、12.1V/1.61A=19.40Wで充電されました。このACアダプタの最大出力は20Wなので、これはスペックどおりの素晴らしい結果です。
次にUSB Type-Aでも充電してみました。QC3.0対応で最大12V/1.5A=18Wのはずですが、結果は9.06V/1.39A=12.56Wでした。
やはりUSB Type-Cのほうが高速充電できることが確認できましたので、このACアダプタでパソコンを充電するなら、一緒にPD対応のUSB Type-Cケーブルも用意したほうがいいですね。
USB Type-CとUSB Type-Aの同時接続で検証してみた
今回のACアダプタは2ポートタイプなので、USB Type-CとUSB Type-Aの同時接続では出力がどうなるのか気になるところです。
そこで、ポータブル電源にACアダプタを接続して、MacBookとAndroidスマホを同時に充電してみました。
ちなみに、単独で充電したときはAndroidスマホがUSB Type-A接続で9.02V/0.77A=6.92W、MacBookはUSB Type-C接続で12.1V/1.61A=19.40Wでしたが、2ポート同時接続の合計出力は24Wと表示されました。
実際にどちらにどのくらいの電力が供給されているのか気になったので、MacBook側の出力を測定したところ、なんと4.93V/1.44A=7.13Wまで落ちていました。
もちろん、Androidスマホ側が16.87Wで充電されているわけはなく、実際には単独充電時とほぼ同じ7W弱でしたので、どうやら2台同時接続時はUSB Type-A側が優先されるようです。
まとめ
いかがでしょうか? 今回はダイソーで770円の「超速充電器PD+Quick Charge2ポート 20W」を使って、実際にスマホやパソコンを充電してみました。
その結果、AndroidスマホやMacBookでは期待どおりの急速充電が可能でしたので、770円の価値はあるかと思います。
ただし、なぜかiPhoneだけは期待していたほどの速度では充電されませんでした。たまたまこの個体だけが相性が悪かった可能性もありますが、iPhoneユーザーなら、USB Type-C(1ポート)の「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」のほうがいいかもしれません。
また、2ポート同時接続時にはUSB Type-C側の出力がかなり落ちてしまうことも確認できましたので、このような特性を理解した上で利用すればいいでしょう。
※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです(2023年7月)。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。