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無在庫転売とは?仕組みや始め方、メリットと違法になるケース・ならないケース

文=オトナライフ編集部
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無在庫転売とは、手元に在庫を持たない状態で転売を行うこと。通常は仕入れしたものを販売しますが、無在庫転売では売れてから仕入れます。

今回は無在庫転売について仕組みや始め方、メリットのほか、違法になるケースとならないケースを詳しく解説します。

無在庫転売とは

無在庫転売とは、商品在庫を持たずに顧客からの注文が入った際にその商品を仕入れて、直接顧客に発送する転売の手法です。

無在庫転売とは1
一般的な「有在庫販売」といって、仕入れたものを販売しますが、無在庫販売では注文をしてから仕入れるのが特徴です

無在庫転売では、買い付けルートを別に持った上で自分自身でECサイトを開設し、無在庫転売を行うのが一般的です。

無在庫転売とは2
アパレルを扱っている「BUYMA」は、無在庫転売を正式に許可しているファッション通販のひとつ。販売者側にも人気の通販サイトです(画像はBUYMA公式サイトより引用)

無在庫転売の仕組みと種類

無在庫転売には、仕入れから発送までを国内でする「国内の無在庫転売」と海外から仕入れたり発送する「海外有入の無在庫転売」の2種類があります。

国内の無在庫転売

国内での無在庫転売では、ECサイトに在庫を持たない商品を出品。注文が入ってから実店舗や他社ECサイトで買い付けをし、発送します。注文から買付、発送までのスパンが比較的短いため顧客からのクレームリスクは小さめですが、輸出入に比べる仕入れ価格と販売価格の価格差が小さく、利益率は低めです。

海外輸入の無在庫転売

国内のECサイトに在庫を持たない商品を出品したうえで、注文が入ってから海外のネットオークションやECサイトで買い付け、発送するのが海外有入の無在庫転売です。

無在庫転売とは
たとえばタオバオやアリエクスプレスといった中国のECサイトから商品を仕入れ、国内で商品写真を再撮影したうえで自社ECサイトに出品するのが一般的なやり方。「タオバオ」「アリエクスプレス」ともに、中国大手のアリババグループが運営しているグローバルオンラインショッピングサイトです(ロゴ画像は各公式サイトより引用)

出品後はその都度、注文が入ってから中国輸入で買い付けるといったケースが代表的です。

海外輸入のため消費者の手元に商品が届くまでに2週間~3週間程度かかることも多く、なおかつ粗悪品が届いてしまう可能性がある点がネック。一方で仕入れ値は安いので、返品率を抑えることができれば利益率は高くなります。

海外輸出の無在庫転売

海外から仕入れるだけでなく、国内のおもちゃや食品、文房具、カメラといった商品を海外のECサイトに出品する方法もあります。この場合は、注文が入り次第、国内の実店舗やECサイトで買い付けて発送します。国内の卸問屋など買い付けルートがあれば、仕入れ値を抑えつつ、国内外の価格差で利益を出すことができます。

無在庫転売の始め方・やり方の例

無在庫転売を始めやすいサイトのひとつが「BUYMA」。たとえばBUYMAで人気があるブランドの1つには「Superdry 極度乾燥(しなさい)」が挙げられます。こうした国内での取り扱いが手薄ながら、日本でも人気があるブランドを販売するのがおすすめ。

無在庫転売の始め方・やり方の例1
「極度乾燥(しなさい)」はイギリスのファッションブランド。日本人が見たら「変」だと思われるようなロゴ入りTシャツなども売られており、人気があります(画像はBUYMA公式サイトより引用)

「極度乾燥(しなさい)」という奇妙な日本語の使い方から、日本国内でも知る人ぞ知るブランドで、英国をはじめ、ヨーロッパで人気があります。正式名称は「Superdry (スーパードライ)」で、ブランドの創設者が日本をたまたま訪れた際に「アサヒスーパードライ」を目にし、名前がクールだと感じたことからSuperdry 極度乾燥(しなさい)というブランドが生まれたと言われています。

参考元:プレジデント「ロゴが意味不明「極度乾燥(しなさい)」が経営不振に陥った理由」

しかし「スーパードライ」はアサヒ社がビールを指定した上で保有している商標。そのため、「Superdry 極度乾燥(しなさい)」は洋服類であるとはいえ商標権侵害のおそれが強いのも事実。実際、税関に対してはアサヒ社から「Superdry 極度乾燥(しなさい)」を対象としたものと類推される洋服類の差止請求が行われています。

参考元:税関

そのため日本には「Superdry 極度乾燥(しなさい)」の店舗や公式通販はありません。つまり「Superdry 極度乾燥(しなさい)」のアイテムを入手したいなら、ヨーロッパのパーソナルショッパーから個人輸入のような形で買わなければなりません。そのため、一定のニーズがあり続けており、売れる理由になります

このように取り扱うブランドやラインナップに見当をつけたうえで、無在庫販売が可能なサイトに出品を行うと良いでしょう。なお、BUYMAのパーソナルショッパーになるためにはBUYMAの会員登録が必要です。以下の手順で会員登録できます。

まずBUYMAを開きます。

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【1】①「会員登録(無料)」をタップします。【2】②「お客様情報」を入力し、③「同意して会員登録する」をタップします
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【3】メールアドレスを確認し④「登録する」をタップすると、【4】会員登録完了です
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【5】登録したメールを開き⑤「メールアドレスを認証する」をタップします。【6】次に出品者登録をします。右下の⑥「マイページ」をタップし、下にスクロールして⑦「その他のメニュー」をタップします
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【7】⑧「出品者登録」をタップします。【8】⑨「基本情報」を入力し⑩「次へ」をタップします。画面の指示に従って出品者登録を完了させます

会員登録後、出品者登録まで完了すればフリマアプリやネットオークションに近い感覚で、手軽に商品を出品できます。

なお出品をした後、買い付けるのはパーソナルショッパーの責任です。どのように安定的に買い付けを行うのか、仕入れ先や方策をしっかり考えておきましょう。BUYMAの場合だと、海外在住の日本人パーソナルショッパーが「海外の自宅近くの実店舗」で仕入れているケースが多くなっています。

無在庫転売のメリットを紹介します。

先行した仕入れが不要

先行した仕入れが不要なので、ECで副業を始めたい場合などに「まず300万円分の仕入れが必要」といったリスクがありません。「注文が入った分だけ、その都度仕入れる」形で十分商売が成り立つため、不良在庫を大量に抱えるリスクもありません。

キャッシュフローが安定しやすい

たとえば、まず300万円分の仕入れを先行して現金で行う場合、手元から300万円のお金が消えます。「出ていくお金」と「入ってくるお金」の流れで考えた場合、出ていくお金ばかりが先行するため、将来的に利益が出たとしても足元は「お金が無い」状態に陥りやすいのがネック。そのため「先行して仕入れを行う」ような方法は、副業などで行うにはリスキーです。

一方で無在庫転売であれば、キャッシュフローが良好。在庫を抱える必要もないため、低リスクの物販といえるでしょう。

取り扱う商品の変更がしやすい

「在庫を保有していない」ため取り扱う商品の変更がしやすいのが特徴です。通常の通販であれば「昨日まで家電ストアで、今日から芸能グッズの専門店」といった変更はしにくいですが、無在庫転売なら可能。このようなフットワークの軽さもメリットです。

無在庫転売のデメリット

一方で無在庫転売にはデメリットもあるので確認しておきましょう。

無在庫転売を禁止するECサイトが増加傾向

「手元にない商品の出品」や「ECサイト等から直送すること」を禁止するECサイトやモールが増加傾向にあります。その代表格が「メルカリ」。つまり、無在庫転売を始めたいなら自分自身でECサイトを立ち上げるか、BUYMAのように明示的に無在庫での出品を許可しているサービスを使う必要があります。

参考元:メルカリ「手元にない商品の出品やECサイト等から直送すること(禁止されている行為・出品物)」

購入者とトラブルになりやすい

特に海外輸入の場合、到着までの日数が長い上に消費者の元に粗悪品が送られてしまうリスクがあります。そのため購入者側の満足度が低くなりやすく、トラブルに発展するケースがあります。ウェブ上で悪評が出回る可能性がある点はデメリットでしょう。

在庫管理が複雑になりやすい

複数の仕入れ先を抱えていると「購入者Aさんに対しては●●から仕入れて発送し、購入者Bさんに対しては××から仕入れて発送する」など在庫管理と発送業務が複雑化します。そのため、ミスが起きやすくなり購入者とのトラブルの原因になることがあります。

無在庫転売は違法?違法になるケース・ならないケース

無在庫転売自体は違法ではありませんが、中には違法になってしまうケースがあるため注意が必要です。販売を始めるまえにあらかじめ確認しておきましょう。

【違法となる例】商品を発送しない

商品を持たない状態で注文を受けるため、何らかの理由で仕入れ先で商品を確保できないと「代金を支払ったにも関わらず商品が発送できない」状態に陥ることがあります。この場合、すでに代金を受け取っているため債務不履行になる可能性があります。

【違法となる例】商品の取り扱いに必要な許認可を未取得

有在庫、無在庫に関わらず商品によっては許可を得ないと販売できないものがあります。代表例が転売を目的に商品を仕入れて販売しているケースです。この場合は、古物商許可が必要です。医薬品の転売や酒類の販売も許可がないとできません。

【訴訟リスクが高め】商標権の侵害

基本的に真正品の販売であれば商標権の侵害にはあたりません。しかし流通段階で第三者により商品に改造が加えられる可能性も否定できません。さらに、メーカ側が商品の保管状態や品質管理がしっかり行われているかどうかも把握できないため「商標の品質保証機能を害されている」としてメーカーから訴えられるリスクは秘めています。

【グレー】商品の公式サイトの写真を転用

公式サイトの商品写真を無断で転用し、自分の販売ページに載せた場合には著作権侵害が成立する可能性が高いです。ただし著作権侵害は親告罪であり、その商品が売れるのであれば画像の引用・転用は黙認するといったメーカーも無いわけではありません。そのため「グレーゾーン」といえますが、トラブルを避けるためにも無断転用はしないほうが無難です。

【違法とならない例】許認可取得済みかつ無在庫転売を許可するプラットフォームを利用

BUYMAのように、販売に必要な許認可を正式に得ており、無在庫転売を許可するプラットフォームを利用するのであれば無在庫転売の違法性は小さくなります。ただし先述したように、メーカー側が商標の保護に極めて敏感なスタンスである場合、訴訟リスクがゼロになるわけでなない点に要注意。事前に法的リスクをより細かく洗い出したい場合は、扱う商品やメーカーを決めた段階で弁護士に法律的な相談をしておくとよいでしょう。

無在庫転売の仕入れ先として利用されるECサイト

無在庫転売の仕入れ先として利用されるECサイトを紹介します。

Amazon

Amazon.com
Amazonはプライムデーに代表される大規模セールの値引き率が大きく、仕入れ先としても人気。Amazonで安く仕入れて他のECサイトで売って利益を出します。ちなみにAmazon.co.jpで仕入れて、Amazon.comに向けて輸出するといった「Amazon間せどり」も実は定番の販売手法の1つです(画像はAmazon公式サイトより引用)

eBay

eBay
個人でも海外輸出入が可能な越境ECプラットフォームとして、20年以上前から利用されているeBay。アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社があるネットオークションサイトです。輸入品の仕入れ元としても定番(画像はeBay公式サイトより引用)

タオバオ

中国の大手オンラインモールのタオバオ。日本語対応はなく中国語のサイトですが、安く仕入れることができます。

タオバオ
中国輸入ビジネスで使われることが多いタオバオ。商品の種類も豊富で中国語が分かれば、安く仕入れが可能です(画像はタオバオ公式サイトより引用)

アリエクスプレス

アリエクスプレスも中国のECサイトですが、アジアを中心に様々な国の商品が売られています。

アリエクスプレス
タオバオ、アリババと同じくアリババグループが運営するサイトです。タオバオは中国語サイトであり、アリババは購入に中国口座が必要ですが、アリエクスプレスなら小ロットかつ日本口座から購入可能です(画像はアリエクスプレス公式サイトより引用)

無在庫転売の販売先として利用されるECサイト

無在庫転売の販売先として利用できるECサイトを紹介します。

BUYMA

BUYMA
BUYMAは東京に本社がある海外ブランド・ファッション通販サイト。前述の通り、無在庫転売を許可しているサイトのひとつです。海外で仕入れたものを国内で販売するのに向いています(画像はBUYMA公式サイトより引用)

BASE

BASE
BASEは簡単にネットショップを作れる決済機能つきのサービスです。「自社EC」を立ち上げることができるため、自己責任で無在庫で出品することも可能。ただし出店するには特定商取引法の記載が必要です。取引中のトラブルは自己責任となります(画像はBASE公式サイトより引用)

その他

現実的にはヤフオク!やメルカリといったプラットフォームでも、無在庫転売を行っている人は一定数存在します。知名度もあり利用ユーザーも多いため、これらのサイトで商品が売れやすいのも事実です。

しかしヤフオク!やメルカリでは「商品が手元にない状態での出品」は禁止されています。アカウント停止などのペナルティを受ける可能性があるため、どうしてもメルカリやヤフオク!で無在庫転売を行いたい場合は重大なリスクがあることを踏まえたうえで、自己責任で行いましょう。

まとめ

在庫を抱える必要がないため、初心者でもはじめやすい無在庫転売。より利益率を上げたいのであれば海外サイトを利用した仕入れがおすすめです。ただし、海外サイトの場合は発送まで数週間かかったり粗悪品が送られてくる可能性がある点に注意しましょう。

オトナライフ編集部

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