消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
●機器に合わせた補正
ドルビービジョンは、映像を撮るビデオカメラにも一定の映像クオリティを要求する。そして高画質で撮影した映像からドルビービジョンのマスター映像を作成し、それをブロードバンドで配信する。
ブルーレイと比較すると、ドルビービジョン映像は、はるかに人間の現実の視覚に近いダイナミックレンジを持つ
問題は、そうしてつくられた映像を再生表示する段階にある。なぜなら、映像の表示能力は機器によって異なる。すべての機器が最上級の表示能力を持っているとは限らない。しかしドルビービジョンは、サブストリームに含まれるメタデータに基づいて補正し、その機器に合った映像にして表示する。
映像制作からユーザーが再生視聴する環境までをコントロールし、画質を高めようというこのコンセプトが、ドルビービジョンと他の規格の大きな違いだ。ドルビービジョンの映像を目にすると、明らかに従来のブルーレイなどの映像よりも明るく細部にわたるまできれいに再現されていることがわかる。
●問われるブルーレイの存在意義
そんなドルビービジョンは、もうすぐ市場に出てくる。対応テレビが今年末にシャープから発売予定で、オンデマンドビデオサービスの分野ではNetflix、Amazonインスタント・ビデオなどが対応する予定になっている。
従来、ブロードバンド経由のオンデマンドビデオの映像は、ブルーレイより画質が低いのが常識だった。しかし、根本的に画質を引き上げたドルビービジョンの登場により、ブルーレイの存在意義はほとんどなくなってしまった。
ドルビービジョンが普及すれば、ビデオの主流はブロードバンドによるオンデマンドビデオに完全に移行できるだろう。もっとも、ブルーレイでは4K(フルハイビジョンの4倍の画素数を持つ高画質)映像を収録できないため、近々到来すると考えられる4K時代においては、ブロードバンドや衛星放送での配信が必然となるだろう。
(文=一条真人/フリーライター)
Business news pick up
RANKING
5:30更新関連記事
2024.10.11 17:30
2024.09.13 19:15
2024.09.12 05:55
2024.09.10 17:45