米国時間の4月2日、サンフランシスコでマイクロソフトが開催したカンファレンス「Bulid 2014」で、今後のWindowsについての発表があった。その中で注目されたのが、ディスプレイサイズが9インチ未満のタブレットとスマートフォン(スマホ)に搭載するWindowsの、OS利用料金を無料にするというものだった。
Windows 8.1もアップデートによって、より非力なマシンでも動くようにされた。システム要件はメモリが1GB以上搭載されていて、ストレージに16GB以上の空きがあること、という状態になり、物理的に大容量メモリやストレージを搭載できないコンパクトなマシンでも使えるようにはなっている。
価格競争の激しい小型タブレットにおいて、Windowsを無料化することで端末の価格を下げ、タブレット製品の普及を促進すると共に、この分野におけるWindowsのシェアを拡大する狙いがあるとみられる。
また、近年のIT業界で最も注目を集めている「Internet of Things」(モノのインターネット)の分野へのOSとして、「Windows for Internet of Things」と呼ばれる新しいWindowsも無料提供すると発表した。
Windows for Internet of Thingsは、おそらくWindows 8.1の派生的なものになるとは考えられているが、一応別物だ。すでにWindows 8系統としてはWindows RT 8.1というタブレット等の小型端末で使うタイプのOSが存在するのだが、これらは現時点でどこが違うのか不明だ。
PCやスマホといったデバイスで利用するだけではなく、車や自動販売機、家電といった身近な機械類や各種センサーがネットに接続し、いろいろな情報のやりとりなどに活用されるイメージだ。身近なところでは、ネット接続機能を持っているプリンタなどもその一種になる。すでにいろいろな機器がネット接続できるようになっており、その活用がさらに広がるだろうと期待されている分野だ。
●無料化で狙う市場
そうした中で発表されたWindows for Internet of Thingsは、PCだけでなく、いろいろなものに対してWindowsを使ってほしいというマイクロソフトからのメッセージなのかもしれない。
実際、現在モノに使われているOSは無料または非常に低価格のものに偏っている。世の中で使われているスマホやタブレットも、オープンソースであるAndroidか、OS価格をほぼ意識しないで済むiOS搭載機が多い。