2ちゃんねるといった掲示板、まとめサイト、ニュースサイト、ブログなど、インターネット上で流れている情報は膨大だ。
しかし、その中には本当の情報もあれば、ウソの情報もある。このようなデマや噂といった曖昧な情報の他に、意図してウソのエピソードを創作する「ネット釣り師」という存在がいることを知っているだろうか。
『2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』(Hagex/著、KADOKAWAアスキー・メディアワークス/刊)は、ネット釣り師たちが投稿する創作エピソードを見破るための技術を、10年以上「釣り投稿」を観察しているネットウォッチャーのHagex氏が紹介する一冊だ。
「2ちゃんねる」「発言小町」「Twitter」「ブログ」など、インターネット上で自由に投稿できるサイトには、必ずと言っていいほどこのネット釣り師が存在している。
では、そもそもネット釣り師とは何者なのか。創作文や嘘の内容をネット上に投稿し、読者を「釣る」(=騙す)ことを目的とした、よく言えば「クリエーター」、悪く言うと「嘘つき」のことだという。
彼らが活躍すると、そのサービスは間違いなく盛り上がる。なぜならネット釣り師の投稿は“おもしろい”からだ。ネット釣り師の投稿が増えると、人が続々と集まり、サイトのアクセス数が増えていくと著者は指摘する。
こういったネット釣り師たちが投稿する創作エピソードを見破るテクニックと、インターネット上に流れるデマを見破る方法は似ている。
では、「釣り」と「デマ」の大きな違いは何か。釣りは特定の人間によって完全にコントロールされているが、デマは誰の支配も受けていない点だとHagex氏は指摘する。
デマはネットユーザーの勘違い、不安、思い込みといった負の要素を栄養としており、まるで生き物のように大きくなりながら暴れていく。デマを見破るポイントとして本書では6つ、ピックアップされている。
1 不自然なポイントを探す
2 読んだ人の心を動かす「フック」を見つける
3 なぜこれが流行しているか考える
4 情報の流れを追いかける
5 画像の有無をチェックする
6 多くの人がRTやシェアしているものはとくに疑ってかかる癖をつけておく
本書ではこのポイントが「ネットデマの特徴」とともに詳しく書かれており、こういったポイントをおさえることで、嘘か本当かを見極めるスキルを磨くことができるようになる。著者は「インターネットリテラシーの基本中の基本」だと言う。
「ネット上にあるウソの情報に騙されないように」とはいうものの、ウソを見破る技術がなければ、その選別は難しい。つまり、情報を受け取る側もネットリテラシーを身につけておかなければ危険だということだ。
「釣り」「デマ」に惑わされないためにも、十分に気をつけておきたいものだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。