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論理的に教育すれば従順に従ってくれる日本人だからこそ、警察やメディアがもっと教育的指導を行えば、あおり運転の主な原因になっている追い越し運転のルールやマナーはすぐに改善されるのではないだろうか。
あおり運転を禁止する新たな法律は不要
一向にあおり運転による事件がなくならないことから、新しい法律をつくることによって取り締まりを行うべきだという意見が出始めている。たしかに現在はあおり運転そのものを取り締まる法律はないが、いくら罰則を強化しても悪いことをする人間には通用しないのは、ほかの事件でも同様である。現在は「道路交通法」のなかに「通行帯違反」「車間距離保持義務違反」「急ブレーキ禁止違反」「進路変更禁止違反」「高速道路での停車違反」など、十分すぎるほど悪質ドライバーを取り締まる条文がある。
ここで新たにあおり運転を禁止する法律を制定するとなれば、その定義から混乱し、場合によってはクラクションを鳴らしたりパッシングしただけであおり運転行為とみなされる危険もある。それらの行為は、本来ほかの車や人に対して注意を促すために必要な場合が多い。仮にこれらが拡大解釈されあおり運転行為となれば、ドライバーは使用を躊躇することになり、ほかの事故原因にもなろう。したがって、あおり運転を取り締まる新法はつくるべきではない。
警察やメディアはあおり運転の回避法としてドライブレコーダーの設置を推奨したり、事が起こったら110番する、あるいは窓は絶対に開けないようになどとキャンペーンを繰り返している。それらはもちろん事件にならないためには必要であるが、高速道路の走り方を教育するなどのキャンペーンに力を入れてほしいものだ。あおり運転を撲滅するために、まずは世界に目を向けるべきである。
(文=杉江弘/航空評論家、元日本航空機長)
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