江川紹子の「事件ウオッチ」第39回
「南京事件」資料の記憶遺産登録、大騒ぎするほど中国の思うつぼ?
文=江川紹子/ジャーナリスト
戦後70年がたった今、現存する戦争体験者の多くは、幼い頃に空襲の中を逃げまどうなどした、いわば戦争の被害者。日本が他国に与えた加害体験が、新たに語られることはほとんど期待できない。だからこそ、兵士の日記や写真、絵などの一次資料や体験を語った記録などをできる限り保全し、共有していく努力を、日本は独自の事業として、もっと力を入れてやるべきではないか。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)