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山崎元「耳の痛い話」
公的年金、「必ず劣る」ESG投資を強いる安倍政権の「ベンチのアホさ」
公的年金の積立金は、そもそも国が大規模にリスクを取って運用するという制度設計からして良くないのだが、百歩譲ってGPIFによる運用の効率性向上が重要だとするなら、この資金を「ESG投資」のような、国際世間向けに格好はつくかもしれないが、運用そのものとして論理的に不適切なものに振り向けるべきではない。
巨額の資金を運用するGPIFにあって、現実の資金運用の利回りへの影響は微々たるものであるかもしれないが、それでも、全体の中の比率は小さくても、投資される金額自体を小さいということができる運用者はいまい。論理的におかしくて非効率的な運用に資金を振り向けることは耐えがたいと思う人物がいてもおかしくない。
アベノミクスの金融緩和政策はいいのだが、これに年金資金を利用したり、運用の常識を曲げたりするような、資金運用に関する安倍政権の「ベンチのアホさ」は修正しなければならない。
(文=山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表)
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UPDATE:11:30