天皇の代替わりという国の一大行事を経て、平成から令和へと時代が移り変わった2019年。国民の休日も大きく変わった。実は、1948年の祝日法施行以来、初めて「天皇誕生日」がない年だった。
平成の天皇誕生日は12月23日だったが、令和では2月23日となる。今上天皇が5月1日に即位されたことで、12月23日は単なる平日となった。上皇陛下の誕生日を祝日とする法律が存在しないからである。昭和天皇の誕生日である4月29日は「昭和の日」として祝日であるため、近い将来、12月23日も祝日化される可能性はあるが、与党内でも上皇陛下の権威付けとなることを懸念して在位中の祝日化は避けるべきとの見解もある。ちなみに、明治天皇の誕生日である11月3日は「文化の日」として祝日になっているが、大正天皇の誕生日である8月31日は平日だ。
また、5月1日の「即位の日」、10月22日の「即位礼正殿の儀」が昨年限りの祝日となったのも特徴的だ。
そんななか、長年続いてきた祝日が昨年で終了したことをご存じだろうか。それは「体育の日」だ。1964年の東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を記念し、66年に祝日として定められた。2000年からは、いわゆる「ハッピーマンデー制度」の導入により10月の第2月曜日に移行した。
その体育の日が20年から、「スポーツの日」と改められる。“原則として”10月の第2月曜日が祝日であるため、名称が変わっただけのように思われるが、今年に限っては7月24日がスポーツの日とされ、10月12日は平日となる。そのため、10月は祝日がなくなる。
これは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開会式に合わせた措置だ。「平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法及び 平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法の一部を改正する法律」によると、オリンピックの円滑な準備及び運営に資するため、「国民の祝日に関する法律」の特例として、スポーツの日を7月に移動させたのだ。また、本来は7月の第3月曜日である「海の日」が7月23日に移動し、スポーツの日と並ぶ休日になる。さらに、本来は8月11日である「山の日」が8月10日に移動する。これは、前日の9日がオリンピックの閉会式であることに関連している。
このように、昨年に続き今年も祝日は大きく変わる。21年以降は、原則通り7月第3月曜日が海の日、8月11日が山の日、10月の第2月曜日がスポーツの日となる。今後、12月23日がどのように扱われるのかが気になるところだ。
(文=編集部)