貧困大国・米国の化けの皮…大統領選で差別主義者トランプと社会主義者の躍進を生む闇
信頼性が揺らぐ新聞、テレビなどの旧メディア
ある意味、レガシーメディアはその場その場で情報を提供するだけで、その分析や評価がなされたことは皆無だった。しかし、ネット上では、ある論説や言説が正しいのかどうか、またその人物が過去にどんな言動を見せてきたのか、などの事実関係を考察することができる。その結果、間違った情報を提供すれば批判の対象となり、大きく信頼性を損ねることにもつながるのだ。
また、ネットの世界では「権威」というものがまったく役に立たない。レガシーメディアの常連ともいえる、頭に「御用」が付く学者や評論家ではなく、ネット上には各分野のプロフェッショナルや専門家が存在しており、即時に情報発信が可能だ。それゆえ、状況によっては、テレビで御用学者が話している内容より、ネット発の専門家のつぶやきのほうが信頼できるという構図になっている。
そのため、レガシーメディアによる情報操作が機能不全に陥りつつあるという状況が、今回の米大統領選からも見て取れる。また、それが日本でも起きている現実なのだ。
(文=渡邉哲也/経済評論家)