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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

【コロナ】米国、予備役兵100万人を緊急応召…第3次世界大戦の初戦と認識し戦時体制

文=浜田和幸/国際政治経済学者
【コロナ】米国、予備役兵100万人を緊急応召…第3次世界大戦の初戦と認識し戦時体制の画像1
アイルランド首相が訪米 トランプ大統領と会談(提供:White House/ZUMA Press/アフロ)

 昨年末に武漢から発生したとされる新型コロナウィルス(COVID-19)は瞬く間に世界に拡大してしまった。ヨーロッパではイタリアを筆頭にフランスやスペインでも感染者や死者が激増している。フランスのマクロン大統領は「これは目に見えない敵との戦争だ」と語気を強め、ドイツのメルケル首相は「感染の恐れが高まった」ことを理由に、「当面は自宅で仕事に取り組む」と発表、国民にも自宅待機とテレワークを勧告。

 当初は「たいした問題ではない。暖かくなれば、じきに終息する」と高を括っていたアメリカのトランプ大統領も3月13日には、前言を翻し、非常事態宣言を発することになった。ニューヨーク市では飲食店や劇場まで、すべて営業停止の命令が出された。感染拡大の原因となるクラスターを防止するためだが、解雇が急増し、失業率は戦後最悪のレベルに達する懸念が出ている。アメリカではすでに失業保険手当の申請者は1000万人を突破した。

 マスクをはじめ物不足や買い占めが横行し、犯罪の多発が懸念されるため、各地の銃砲店には護身用の銃や弾丸を買うために長蛇の列ができる有様だ。首都ワシントンに隣接するメリーランド州のボルティモア市では犯罪が急増したため、ついに米軍が出動し、治安維持に当たるという非常事態に突入。

 その裏には「パンデミック対策を最優先させるため、余程の犯罪でなければ警察も対応しなくてもよい」とか「刑務所内で感染が広がる恐れがあるため、囚人230万人を軽犯罪者から順番に保釈する」との通達が影響しているに違いない。イランでは刑務所から8万5000人が保釈されているが、同様の対応がアメリカやアジア各国でも始まった。

 何しろ、アメリカは世界最大の刑務所収監人口を誇る犯罪大国である。いくら刑務所がクラスター化するのを防ぐためとはいえ、犯罪者も次々に釈放するのは恐ろしい限りだ。一般市民が自己防衛のために銃を買い漁るのも無理がない。都市によっては「銃砲店の営業停止」処置も発令されているが、その分、ネット販売では銃の売り上げが急増している。

「米国政府によるCOVID-19対応計画」

 実は、アメリカではトランプ大統領の根拠のない強気の発言とは裏腹に、医療や保健衛生の専門家が集まり、政府としてのパンデミック対策を早い段階でまとめていた。それは「米国政府によるCOVID-19対応計画」と題され、今回の病原菌の発生から世界に拡散していった過程を分析し、今後の展開を冷静に分析、予測した上で、政府としてのとるべき対策を明示したものである。

 100ページを超える詳細な内容であるが、最も重要な指摘は次の3点であろう。第一が「急速な拡大によって対応は後手後手に回るだろう」。第2は「パンデミックは18カ月か、それ以上の長期にわたり、その間、感染者の発生数の増減にはいくつもの波が起こる」。第3は「COVID-19の拡散範囲と深刻さの度合いに関しては予測することも特徴を特定することも難しい」。

 それだけ対応の困難さが想定されるパンデミックというわけだ。アメリカ国内でも相当数の死者が避けられず、経済も壊滅的な被害を受け、社会不安から犯罪も急増するとの指摘に、さすがのトランプ大統領も緊急事態との認識に傾いたと思われる。アメリカ国内の感染者数は火元の中国を抜いてしまった。

 デトロイトの3大自動車メーカーもアメリカ国内の工場はすべて閉鎖に追い込まれた。世界最大の航空機メーカーのボーイングは倒産の危機に瀕しており、政府の救済がなくては立ちいかない模様である。要は、世界最大の経済大国が奈落の底に転落する瀬戸際に追い込まれたといっても過言ではない。

 追い詰められたトランプ大統領は「諸悪の根源は中国だ。発生の実態を隠蔽し、世界への拡散を食い止める機会が失われた」と、責任転嫁に走っている。しかし、いくら中国を非難しても目の前の感染者の爆発的増加は食い止められない。まさに最高指導者の意思と決断が求められているわけだ。

 日本では首相が「全家庭に布製のマスク2枚を郵送する」とか「収入減の世帯に30万円の現金支給を検討する」など、緊急時の対応としてはあまりにタイミングを逸した政策に国民からの信頼が失われる一方である。

軍の上級幹部を地下の核シェルター基地へ移動

 それとは対照的な政策を打ち出したのがアメリカである。第一、トランプ大統領は予備役の緊急召集を発令した。戦場で負傷者の治療や看護に当たった経験を持つ予備役兵100万人の戦線復帰を命じたのである。米軍の最高指揮者である大統領による非常事態対応の最たるものといえよう。

 感染者が全米最大となっているニューヨーク州であるが、米軍の病院船がニューヨーク埠頭に接岸し、患者の受け入れと治療を始めた。また、死亡する患者が急増しているため、その埋葬作業を服役中の囚人に割り当て、ニューヨーク湾内の島に墓地を急ピッチで建設させている。こうした作業に当たる囚人に感染するリスクが高いため、特別手当が支給される。従来であれば、時給1ドルであったが、今回は時給6ドルという破格の扱いである。

 第2、国防総省ではエスパー長官の指示で、軍の上級幹部はコロラド州にある地下の核シェルター基地への移動が行われた。もともと冷戦時代に旧ソ連による核攻撃を想定し建設された地下の巨大な軍事基地である。

 実は、米海軍が誇る原子力空母セオドア・ルーズベルト号は西太平洋で訓練中であったが、乗員100名以上の感染が発生し、艦長からSOSが発せられるという緊急事態に。日本や韓国にある米軍基地でも感染者が日増しに増加している。このままではアメリカの軍事戦略や安全保障にも重大な危機が迫るという認識から、米軍関係者の感染情報は外部への流出が禁止された。

 原子力空母ルーズベルトの艦長は「乗員の感染情報を外部に漏らした」との理由で、解任という処罰を受けてしまった。ことほど左様に、米軍は神経を尖らせており、幹部をコロラドの地下シェルターに結集し、そこから24時間体制で危機管理を行うという決断を下したのである。

 第3、ポンペオ国務長官は海外に暮らすアメリカ人すべてを対象に「緊急帰国命令」を発した。表向きは「コロナウィルス蔓延の影響で民間の航空機も政府の帰国者運搬用のチャーター機も飛ばなくなる」との理由で、「早急に最寄りのアメリカ大使館や総領事館に連絡し、帰国の手段を確保するように」促した。「自由の国」を標ぼうするアメリカで国務長官が海外在住の全アメリカ人に緊急帰国を命令するということは前代未聞である。もちろん、帰国を希望しない場合は本人の自由意思が尊重されるわけだが、その帰国命令の強い口調にはただならぬ気配が感じられる。

 こうしたトランプ政権による非常事態対応にはコロナウィルスの感染拡大を防ぐための「都市封鎖」や「医療体制強化」とは別の狙いが込められているに違いない。日本における中途半端な自粛要請とは明らかに違う。そこにはあらゆる手段を講じても「超大国アメリカの地位を死守する」という決意が読み取れる。逆にいえば、アメリカの地位を脅かすほどの深刻な事態が進行しているという危機感が感じられる。

非軍事的手段による新たな戦争

 問題はそうした危機感の源泉が何かということであろう。単に新型コロナウィルスという病原菌への対応とは思えない。言い換えれば、アメリカ政府、特に国防関係者の間では、このウィルスはアメリカの社会や経済の基盤を崩壊させ、アメリカという国家の転覆を狙う非軍事的手段による新たな戦争という受け止め方をしているのである。「第三次世界大戦」の初戦というわけだ。

 海外に展開中の800カ所の米軍基地の多くで、感染者の報告が相次いでいた。現時点ではそうした報道は規制されているが、日本の横須賀基地でも米軍兵士や関係者の感染は問題となっており、厚木基地内に特別の隔離病棟を設置するなど、在韓米軍の感染者を含む患者の搬送受け入れ態勢の整備が進んでいた。

 しかし、こうした米軍内の感染拡大に関する情報はアメリカ軍の即応体制の脆弱性を露呈することになるため、今では家族を含めて感染者情報は一切表に出ない措置がとられている。それだけ事態は切迫しているということだ。

 戦争の手段にはいくつもの武器が想定される。兵士が攻め込んでくるような伝統的な戦闘行為に限らず、その前哨戦としてさまざまな「非対称戦」が繰り広げられる。例えば、経済的な手段としては保有するアメリカ国債の売却もあれば、米ドルに代わる金(ゴールド)に裏付けされた新たな国際機軸通貨の立ち上げなどもあり得る。

 また、EMPと呼ばれる電磁波兵器による通信網の破壊も想定される。通信に限らず、電力供給や交通網も一気に麻痺させることが可能である。さらには、サイバー攻撃もあるだろう。今回の感染症蔓延を受け、在宅勤務やテレワークが広がりつつある。自宅で使うパソコンや通信機器は会社内ほどセキュリティが強くないこともあり、すでに多くの企業情報や個人情報が盗まれる事件が発生している。国家の安全に関する情報も簡単に改ざんされ、悪用されてしまう可能性が高まっているといえるだろう。

 そして、目前に広がる生物化学兵器の可能性を秘めた病原菌(ウィルス)を拡散させるという新たな武器の登場である。では、こうした新たな戦争を仕掛けているのは誰なのか。国家であるのかテロ組織であるのか。その狙いは何か。そうした観点での情報の収集や分析が日本では行われていない。自分たちがそうした戦争を仕掛ける考えがないからだろうが、人類の歴史は戦争の歴史といっても過言ではない。ただ、戦争の形態は時代とともに変化している。平和を守るためには、こうした進化する戦争に関する研究も必要である。

 アメリカにせよ、中国やロシアにせよ、核兵器を開発、保有するのに劣らぬ資金と人材を投入し、それらの国々はさまざまな生物化学兵器の開発に取り組んできた。かつてアメリカはキューバやベトナムに対して大量の枯葉剤などを投下し、その後遺症は世代を超えて被害者を苦しめてきた。もちろん、日本も例外ではない。旧日本陸軍の731細菌兵器部隊は中国大陸で多くの人体実験を重ねた歴史がある。当時の日本陸軍の生物化学兵器の開発能力はアメリカを凌駕していた。そのため日本が敗戦するや、731部隊の幹部や研究者は戦争責任を免除され、アメリカ本土に渡り、米軍施設において細菌兵器開発の主導的役割を担ったものである。

私利私欲に走るトランプ大統領一族

 こうした歴史を紐解けば、日本としても生物化学兵器の廃止に関する国際条約の締結により一層熱心に取り組むべきであろう。しかし、日本からそうした動きはみられない。今から25年前に東京で起きた「地下鉄サリン事件」にしても、オウム真理教による仕業といわれているが、その実態はいまだに闇の中である。

 そもそも、アメリカやロシアの生物化学兵器の専門家によれば、「地下鉄内で撒かれた物質はサリンではない。もし、サリンなら2万人の死者が出ていてもおかしくない。死者が11人ということはあり得ない話」という。実際に使われた細菌兵器の実態がなぜか隠蔽されてしまっている。731部隊の悪名のせいか、日本では生物化学兵器や細菌兵器はタブーになっているようだ。

 しかし、それでは目の前に潜む「見えない敵」と揶揄されるウィルスの実態も暗中模索でなんら解明されないまま、ただ右往左往するだけで、そのうち開発され市場に出回るはずのワクチンや特効薬を高値で買わされてしまうのが関の山であろう。

 実際、「転んでもただは起きぬ」のがモットーで、破産倒産を何度も潜り抜けたトランプ氏は、非常事態宣言を発した裏側で、しっかりとファミリー・ビジネスのチャンスを手にしようと動いている。何かといえば、新型コロナウィルス対策のワクチンと特効薬の開発である。潤沢な政府資金を娘婿のクシュナー氏の関係する医療保険会社に流し込もうという算段だ。

 特効薬をめぐっては、中国企業は言うに及ばず、ドイツや日本の製薬メーカーもしのぎを削っている。もちろん、アメリカ企業も例外ではない。そんななか、トランプ大統領はCOVID-19対策チームを立ち上げ、ペンス副大統領を責任者に指名した。しかし、それとは別にクシュナー氏をトップとする「シャドー対策本部」の設置も認めたのである。クシュナー氏曰く「緊急時には政府機関や役人では対応が遅い。民間のエキスパートを集めて、早急な感染防止策を打ち出す」。

 すでにクシュナー氏の肝いりで、身内の関係する医療保険会社「オスカー・ヘルス」では新薬の試験を始めた。その上、診察を希望する人たちを最寄りの医療機関に紹介するアプリの開発も進めている。こうした開発に係わる経費は全額、国の緊急予備費で賄うという。

 しかも、クシュナー氏の弟の義理の父親は内科医であるが、自らのフェイスブックを通じて「自分はホワイトハウスに強力なコネがある。今回のパンデミックに関連して、何か治療法や予防法について提案があれば言ってきてほしい」とPR活動に忙しい。どう考えても、多くの人命が危機的状況に晒されているときの最高指導者やその親族がとるべき行動とは思えない。

 過去にも数々のワクチンが開発され、市場に投入されたが、副作用で想定外の人命が失われるケースも頻発している。きちんとした動物実験や治験を経ない急ごしらえの「利益優先」の特効薬ほど危険なものはないだろう。アメリカ政府も今回のコロナについては「発生原因が特定できない」と認定しているわけで、「他の病原菌に効果があった」との理由で試験的に投与されている試薬も多いといわれるが、その効果のほどには慎重な見極めが求められる。

 現時点において、アメリカ政府は「第三次世界大戦を勝ち抜く」との思いで、さまざまな戦略を打ち出している。非常事態であるがゆえに、特例的な対策も次々に繰り出されているわけだ。予備役や囚人の大量動員も然り。身内優先の特効薬の開発予算の割り振りも然り。しかし、国防関係者の危機意識と、この期に及んで私利私欲に走るトランプ大統領一族の動きには大きなギャップがある。アメリカの屋台骨を崩そうと意図する勢力は、そうしたギャップこそ超大国のアキレス腱と見なしているのだろう。

 単なる新たな感染症の蔓延ではなく、新たな戦争の始まりという危機感に基づく国防政策が功を奏するのか。超大国アメリカが「アメリカ・ファースト」と内向きになり、いまだにファミリービジネスに執着する最高責任者が権力の座にある事態を目の当たりにする現在、超大国の座を奪おうとするどの勢力が勝利するのか興味深い。一方で、目前に広がる最終戦争に対しても、「見ざる、言わざる、聞かざる」を決め込んでいる日本の敗戦国根性は残念至極である。

(文=浜田和幸/国際政治経済学者)

浜田和幸/国際政治経済学者

浜田和幸/国際政治経済学者

国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士

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