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スーパークレイジー君“市から議員辞職圧力”投稿…市側は「当選辞退も選択肢だと説明」

文・構成=菅谷仁/編集部
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戸田市公式サイトより

 先月31日に投開票が行われた埼玉県戸田市議選で、公明党や共産党、日本維新の会の候補に競り勝って当選したラッパー、スーパークレイジー君こと西本誠氏(34)が16日、自身のTwitterアカウントに投稿した内容が波紋を呼んでいる。

「夜中に市役所職員に呼び出されて議員就任の前に辞職を遠回しにすすめられたこと。まだ名前は言いませんが。いろんな圧力には負けません」(原文ママ、以下同)

「テレビ朝日でテレビ取材だった為に東京からトンボ帰り。そこで言われたことは、貴方の当選無効を狙った人がいると。負けるだけの証拠が出せないならば、自分から辞職した方が貴方の株があがると言われ」

 西本氏の投稿内容が事実だとすれば、民主主義の根幹にかかわるような一大事だ。東スポWEB(東京スポーツ新聞社)は17日、一連の西本氏の投稿に補足する形式で記事『スーパークレイジー君 夜中に市職員に呼び出され辞職勧められる「圧力には負けません!」』を公開。西本氏のフォロワー以外にも衝撃が広がりつつある。

16日には戸田市選管に西本氏の当選効力無効の申し立てがあった

 西本氏の投稿内容を裏付けるかのように、戸田市は16日、「戸田市議会議員一般選挙当選の効力に関する異議の申出の受理について」というプレスリリースを発表していた。内容を以下、引用する。

「公職選挙法第206条の規定に基づき、当選の効力に関する異議の申出が2021年2月15日付で戸田市選挙管理委員会に提出されました。

 同委員会は、2021年2月16日付で会議を開催し、申出について審議した結果、受理すべきものと決定しました。

 これにより、すべての候補者の供託金の返還が、異議の申出に対する最終的な結果が確定されるまで延期されます。

 異議の理由として申出人は、スーパークレイジー君議員について、選挙期日までに3箇月以上住所を有することとされているところ、居住の実態がなく、住民票があるだけでは公職選挙法の規定を満たしていないからとしています。

 戸田市選挙管理委員会としては、公職選挙法第213条(注釈)に規定された事務処理について、十分な調査を行った上で異議の申出に対する決定をしたいと考えております」

 この申し立てに関し、ある埼玉県議会議員は次のように語る。

「西本氏の居住実態がどうなのかは置いておくとして、この手の申し立てがあると供託金の返還が遅れる。選挙費用の支払いに響く可能性もあり、政党からの支援のない無所属議員はかなり痛いと思います。いろいろな意味で混沌とした状態です」

戸田市選管「公選法違反となる可能性を提示した」

 一連の経緯について、戸田市選挙管理委員会の担当者は、次のように説明する。

「2月4日午前に西本議員が選管に来ました。居住実態に関する質問があり事務局長からいくつか回答しています。その時に議員と局長との間で居住実態に関するやり取りがあり、その内容に不明瞭な点があったので、2月4日の午前の面会が終わったあとに再度議員に連絡を取り、事務局長が同日夜に面会をしたものとなります。

 面会の際に居住実態の確認をしたうえで、仮に居住実態に疑義が生じる場合は、当選を辞退するというのも一つの選択肢であるという旨を説明いたしました。これに対して議員からは居住実態の補足的な説明がありまして、不明瞭な点は解消されました。

 事務局長と議員のやり取りは、仮に居住実態がなければ、公選法違反となる可能性を提示したものでありまして、辞職を求める意図はなかったということをお答えさせていただきます」

 すべてが異例に見える。真相はどこにあるのか。

(文・構成=菅谷仁/編集部)

菅谷仁/Business Journal編集部

菅谷仁/Business Journal編集部

 神奈川新聞記者、創出版月刊『創』編集部員、河北新報福島総局・本社報道部東日本大震災取材班記者を経て2019年から現職。

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