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反応さまざまなあのニュースをどう読む? メディア読み比べ(5月27日)

ついに“アベノリスク”との不安も…株価急落の原因は中国の景気悪化が原因か?

文=blueprint
post_2190.jpgやっぱり安心できない!?
(「Thinkstock」より)

 日経平均株価が5月23日、1143円安という13年ぶりの急落を記録した。翌24日は午前に買い戻す動きがあり、一時は500円を超える反発を見せたが、午後は一転して1万4千円を割り込むという乱高下。終値こそ128円高(1万4612円)となったが、安倍政権発足以来、初めて市場が大荒れになっていることもあり、各メディアがその原因を分析している。

 24日付けの日本経済新聞などが報じているように、ひとつのきっかけになったと見られるのは「中国景気」の下振れリスクが明らかになったことだ。

 23日の朝方は、外国為替市場での円安・ドル高を受けて、日経平均が300円超上げる場面もあった。しかし、10時40分すぎに5月の中国の「製造業購買担当者景気指数(PMI)」の悪化が伝わったのを機に、株価指数先物に売り注文が相次ぎ、日経平均は急落している。

 日経新聞のまとめによると、発表されたPMIは前月比で0.8ポイント低い「49.6」ポイントで、好不況の判断の境目となる「50」を7カ月ぶりに下回った。ロイターは23日、そのことで「海外大口投資家が大量の売りを日本株に持ち込み、これが日経平均株価とドル/円下落のきっかけになったようだ」という邦銀関係者のコメントを紹介。甘利明経済再生担当相も、今回の株価急落は中国経済の悪化をきっかけに利益確定の売りが集中したためで、「日本経済は堅調に回復している。うろたえる必要はない」(ロイター)と述べている。

 中国政府が発表する経済統計には強気の数字が並ぶものの、5月2日の日経新聞によると、米ヘッジファンドの有力運用者であるジム・チェイノス氏は「中国の統計は額面通りに受け取ることができない」「中国の経済成長は鈍っている」との見方を示している。産業素材の価格下落が続き、プラスチックなど石油化学製品の基礎原料であるナフサ(粗製ガソリン)は、2月の高値から19%下落。衣料品や自動車の内装品に使うポリエステル長繊維の取引価格も下落し、2月に比べて6%下がった(同紙)。中国国内の需要減も伝えられており、やはり成長の鈍化と景気の下振れを懸念する声は大きいようだ。

 一方、それと並んで日経平均急落の要因になったと見られているのが、金利の上昇だ。

 23日の日本国債市場では先物価格が急落、相場安定化のための制度・サーキットブレーカーが発動し、一時売買が停止されている。同時に、国債価格と対の関係にある長期金利が昨年4月以来、1%の大台に。24日のブルームバーグは、金利上昇で不動産と金融という“アベノミクス相場の先頭バッター”が息切れを起こしているとして、市場全体の変動性が高くなり、「当面はジグザグの動きになるのではないか」というインベスコ投信投資顧問の杉尾邦彦CIOのコメントを紹介している。

 24日付の朝日新聞は、「日銀が押さえ込むはずだった長期金利が急騰。頼みの綱の株価も13年ぶりの暴落となった。試練は安倍政権の想定より早くやってきたのではないか」と、「金融緩和偏重」のアベノミクスを修正すべきだと提言。民主党の輿石東参院議員会長の「『アベノミクス』でなく、『アベノリスク』になったら困る」という発言を取り上げるなど、相変わらず安倍政権の金融政策に厳しい目を向けている。

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総合カルチャーサイト「Real Sound(音楽・映画・テック・ブック)」の運営や、書籍や写真集の発行、オウンドメディアの制作支援など“編集”を起点に様々な事業を行っている。
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