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飛び交う「六代目山口組分裂問終止符」説…他団体も分裂終結に向けた動きを活発化か

文=山口組問題特別取材班
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今後が注目される神戸山口組の井上邦雄組長

 それは4月に入ってすぐのこと。関東の2大組織、住吉会稲川会が一触即発の事態となったこの3月に、大抗争へと発展しないように仲裁役として尽力した親分が、ここに来て再び動いたという。それが九州の有力組織、道仁会の小林哲治会長だ【参考記事「住吉会と稲川会で急転直下の和解が成立」】。そんな調整役として圧倒的な力を持つ小林会長が、神戸山口組若頭である寺岡修・俠友会会長と数回にわたり会っていたのではないかと、業界内で噂になったのである。

 「小林会長と寺岡会長は4月1日にも会っているようですが、その席には、寺岡会長の兄弟分である他団体の親分も同席していたと聞いています。秘密裡に行われたその会合では、必然的に山口組分裂問題に言及されたとみて間違いないのではないでしょうか。その後、道仁会と同じく九州の有力組織である浪川会の浪川政浩総裁が、六代目山口組・髙山清司若頭と会談したといわれています。そこには山口組分裂問題以外に他団体の話もあったのではないかと噂になっていました。どちらにしても、ついに分裂問題の解決に向けて、他団体も具体的に動き出したのではないでしょうか」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 分裂問題が起こった当初より、囁かれていた噂があった。当時収監中だった髙山若頭が出所すれば、分裂問題はそう遠くないうちに解決する。そして、その過程で、他団体も同問題を解決するために、何らかの意思表示を見せるのではないかというものだった。逆にいえば、そうした事態を避けるために、神戸山口組としては、髙山若頭の出所までに他団体との関係も含めて、業界内で確固たる地位を確立させておく必要があったといえたのではないだろうか。

 「結局、他団体からしても、山口組の分裂問題は少なからずの影響があった。例えば、これまで六代目山口組との関係性があった組織が、新たに神戸山口組と付き合いはじめれば、六代目サイドからしたら、敵対行為に等しいとなるわけだ。それを承知の上で、神戸山口組との関係を築き、継続させた組織もあった。神戸山口組にも、それだけの力があると見たからだろう。それが髙山若頭の出所後、神戸山口組を離脱し、六代目山口組へと復帰する組員が続出することになった。明らかに状況は変わり、神戸山口組は劣勢に立たされ続けることになったのだ。そうなれば、他団体としてもいつまでも神戸山口組との関係性を維持していけるかとなれば、実際は難しいだろう。他団体からすると、それだけではない。山口組は日本最大組織だ。その最大組織が分裂し、抗争状態になったのだから、嫌が上でも当局の取り締まりが強化される。それはヤクザ全体にまで影響を及ぼす可能性があったのだ。そうした気運が他団体の間で高まってきているのは確かだろう。つまり分裂問題を終結させようとする空気が、業界内全体に醸成されはじめたのだ」(独立系組織の幹部)

 六代目山口組と神戸山口組の根本的な違いは、相手側の存在を認めるか、認めないかというところだろう。神戸山口組は、六代目山口組の存在については、発足当初より、その運営方針に批判は寄せても、存在自体を認めないというわけにいかなかった。対する六代目山口組は、神戸山口組の存在そのものを認めてはいない。それが、ヤクザ社会の規律にも直結するからだ。盃を交わした以上、それを反故にすれば、謀反となる。神戸山口組はそれを犯したのだ。ただヤクザの世界は「勝てば官軍」でもある。謀反のそしりを受けるのは覚悟の上で、神戸山口組は発足されたのだ。しかし武力においても、神戸山口組は六代目山口組を上回ることができなかった。それほど六代目山口組の武力は力強いものだったのだ。

 ある捜査関係者は現状をこう分析する。

 「大勢が決した中で、山口組の両陣営としても、他団体としても、『もうよいだろう』というのが本音ではないか。つまり、分裂状態は終わらせようということだが、そのためには、六代目山口組を割って出て、神戸山口組を設立したことで処分された親分衆は引退。神戸山口組は解散し、ヤクザを続ける組員は、六代目山口組系列組織へと復帰――神戸山口組側はその選択を迫られていると見られている。それがすぐすぐ本当に実現するかどうかは別にしてもだ。そして、その選択権を唯一持っているのが、神戸山口組のトップである井上邦雄組長だ。これまで井上組長はどれだけ劣勢に立たされても、神戸山口組は解散しないという発言をしてきたと見られていた。だが、敵対する六代目山口組からだけでなく、内部からもそして他団体という外部からも、それを望まれてしまえば、意向が変わる可能性があるのではないか、と誰しも考えるのが普通ではないか。その可能性があるのではないかと視野に入れながら、仮にそれが長引く場合はまた発砲事件などが起きないか、警戒を強めている」(捜査関係者)

 仮説を立てよう。仮に井上組長が引退することになれば、そのときこそ、6年近くに渡った山口組の分裂問題は終止符を打つことになる。果たして、本当にその日を迎えようとしているのか。現在、業界内でもさまざまな噂が錯綜している。

(文=山口問題特別取材班)

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