渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

トランプ、北朝鮮への経済支援は「日韓に用意ある。米国は必要なし」と表明…拉致問題解決に利用も


 また、経済発展についても、南北交流が進めば国民の反乱などによって現体制が維持できなくなる可能性も生まれる。独裁者にとって民主主義は最大の敵であるが、経済発展および国際交流はその促進につながるからだ。

 さらにいえば、北朝鮮の敵はアメリカだけではない。中国やロシアとも敵対する部分があり、一部のミサイルは中国にも向いているといわれていた。そこでミサイルや核兵器を放棄するとなれば、中国の脅威にどう対処するかという問題も浮上する。

 方法論として考えられるのは絶対王政から立憲君主制への移行であり、その場合は戦後の日本がモデルケースとなるだろう。その上で、安全保障条約を締結して北朝鮮の安全をアメリカが保証するというパターンがある。ただし、これに対しては、これまで北朝鮮の後ろ盾であった中国やロシアが反発する可能性も高く、トランプ大統領が言及した将来的な在韓米軍の縮小および撤収とともに、今後の焦点のひとつとなるだろう。

 いずれにせよ、ようやく端緒が開けた米朝融和が前進することを期待したい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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