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首都直下地震、いつ起きても不思議ではない状態…すでに千葉でM6級が頻発

構成=長井雄一朗/ライター
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――M6.7クラスの首都直下地震が最後に発生したのはいつ頃ですか。

遠田 1987年に起きた千葉県東方沖地震です。それから今年の時点ですでに31年たっています。頻度から考えると、いつ首都直下地震が発生しても不思議ではありません。最近になり、千葉ではM6クラスの地震が頻発しています。大阪北部地震はM6.1でしたが、大きな被害を及ぼしました。関東の場合は震源が深いことが多いですが、“当たりどころ”が悪ければ甚大な被害が予想されます。

 これらの事情に鑑みると、地震調査委員会が「30年以内に震度6弱以上の地震が関東で起きる確率が高い」と打ち出しているのは、それなりに根拠のある結果なのです。ただし、関東は地下の状態が不明な部分が多く、地震のメカニズムについても諸説あるため、地震調査委員会は統計などの総合的な観点から評価を行っています。

「スロースリップ」が大地震につながる可能性も

――そもそも、関東での地震の予知や予測は可能なのでしょうか。

遠田 「予知に近い予測(短期的予測)」というのであれば、関東では無理でしょう。近年、専門家の間では「東海地震の予測も難しい」と言われています。関東の場合は地震の起こり方が東海などよりも複雑なので、予知や予測は特に難しいのが実情です。

――最近、岩盤の境目がゆっくりとずれて動く「スロースリップ」という現象が注目されているようですが、地震との因果関係は。

遠田 地震調査委員会も「スロースリップが発生すると地震も起きやすくなる」と言及しています。房総沖や房総南部では4年くらいの間隔で「スロースリップ」が発生し、そのしわ寄せを受けるかたちで、ごく周辺で地震が発生しやすくなります。千葉では6月頃から「スロースリップ」が活発化していましたが、現在はほぼ終息したとみられています。ただ、その余韻で、まだ地震がやや多い状態が続いているといえます。

――「スロースリップ」の余韻でM6クラスの地震が発生する可能性はあるのでしょうか。

遠田 可能性としてはあります。ただし、7日に起きた千葉北東部の地震は「スロースリップ」が起きている場所よりも深い部分が震源地なので、今のところは「スロースリップとは無関係」とする見方が多いです。ただし、繰り返しになりますが、関東平野の真下は地盤が弱く地震が起きやすいので、普段から注意を怠るべきではありません。

 さらにいえば、2011年の東日本大震災以降、関東では直下型地震の頻度が高まっています。7年たった今もそれは変わらず、3.11以前より地震が発生しやすい状況が続いています。警戒が必要です。

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