「雨上がりの夜空に」だけじゃない! よく聞くとエッチな懐かしのJ-POPを集めてみた
あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか?
1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。
最近はRADWIMPSが愛国心を歌った曲が「軍歌を想起させる」などと批判を浴びましたが、J-POPには、そんな思想的・政治的なメッセージ性を帯びた作品が昔からある一方、わびさびの効いた淫靡でエッチな歌も隠然と存在し、賛否やその解釈をめぐる議論を起こしてきました。
ということで、今回振り返るテーマは、「エッチなJ-POP楽曲」。一聴すると、ただの“いい曲”なのに、よくよく歌詞を見てみると、性にまつわる隠語がちりばめられている名曲について特集していきます。
『雨あがりの夜空に』⇒車が女体の比喩
自動車を女性に喩えた歌詞というのは、ブルースの王道パターン。故・忌野清志郎率いるRCサクセションの代表曲『雨あがりの夜空に』も、そんな「車=女」技法で描かれた楽曲であり、キヨシローが若き日に乗り潰した愛車・日産サニークーペについて歌われています。
♪こんな夜にお前に乗れないなんて こんな夜に発車できないなんて♪
「発車できない」=「発射できない」と掛けている箇所なんかは特に、キヨシローの洒脱なセンスがビンビンに感じられるというものです。
『ブルー・シャトウ』⇒女性器の暗喩?
ジャッキー吉川とブルー・コメッツが1967年にヒットさせた『ブルー・シャトウ』。「Blue Chateau」とは、直訳すると「蒼い要塞・城壁」を意味します。しかし昔、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)にゲスト出演した宇崎竜童が、「これは女性器を歌った曲」と解釈していました。
♪夜霧のガウンに包まれて 静かに眠るブルー・シャトウ♪
確かに、「ガウン」というワードから、ブルー・シャトウ=ガウンで隠された身体の一部分、それも城壁っぽい個所……と連想していくと、“秘部”に行き当たらなくもありません。そう捉えると、「森と泉かこまれて」という冒頭の歌詞も、妙に生々しく聴こえてくるというものです。
『メリーアン』⇒「童貞喪失」を歌い上げた?
THE ALFEEの初期のヒットナンバー『メリーアン』は、1955年の独仏合作映画『わが青春のマリアンヌ』の世界観をモチーフにしているといいます。青春映画の金字塔として名高い同映画は、少年が魅惑的な年上女性との初恋を経て大人になる……、つまり「童貞喪失」を描いた物語。直接的な性描写はありませんが、それとなく2人の間に抜き差しならぬ何かが起こったことを想起させる、意味深長なカットが挿入されていたりするのです。
♪夜露にぬれる森を抜けて♪
そんな元ネタの背景まで知ると、このメリーアン冒頭の歌詞も、先述した『ブルー・シャトウ』における最初の一節「森と泉に……」と同じような意味に聴こえてきます。
『Body & Soul』⇒奥まで行こうよ いっしょに…
年端もいかないかわいい女のコに、キワドイ歌詞を歌わせて世間の耳目を引くのは、山口百恵の『青い果実』や中森明菜の『少女A』など、アイドル業界の常とう手段。デビュー当時、メンバー4人とも小中学生だったSPEEDのファーストシングル『Body & Soul』も、実はこの方程式を踏襲してつくられた歌でした。
♪痛い事とか恐がらないで もっと奥まで行こうよ いっしょに♪
この一節だけ切り出すとかなりド直球。しかし、全体的に爽やかでアゲアゲで「みんなでハジけようよ!」みたいな曲なので、サラッと違和感なく聞き流せるのが、なんとも絶妙です。
『モーニングコーヒー』⇒初体験後にコーヒーを飲む歌
モーニング娘。のメジャーデビューシングル『モーニングコーヒー』も、無垢なアイドルにエロいことを歌わせる路線の曲。
♪あなたについてゆくと決めた なのに 急じゃ(こわい)♪
この、サビ前の一節を「初体験への躊躇」と仮定することによって、サビで歌われる「泣いてるのは うれしいから」「ねえ はずかしいわ」という心理描写の理由が見えてきます。そしてすべてが終わった朝。「モーニングコーヒー飲もうよ」と、普段と変わらぬ態度で接してくれた彼氏に、彼女は幸せを感じるというわけです。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)