渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

米朝会談“決裂”、金正恩の経済制裁解除の直談判失敗…米国、再び北朝鮮へ軍事圧力強化も


 日本側の最大の関心事であった拉致問題に関して、トランプ大統領は会談のほかに夕食会でも金委員長に提起したと伝えられている。しかし、拉致問題の進展は完全な非核化および制裁解除後の経済支援と表裏一体であり、その前提条件が崩れた以上、当面は前進が期待できない状態といえる。北朝鮮としては日本からの経済支援は喉から手が出るほど欲しいはずだが、その前提として「拉致問題の完全解決」が存在するという構図であるからだ。

 次回の会談については未定とされているが、米朝間の溝が埋まらない限り開催は難しいだろう。一時は気運の高まった米朝融和は、幻に終わりかねない雰囲気すら漂ってきた。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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