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同人誌を売るコミケを守ることが、なぜ日本の国益と世界平和につながるのか?

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同人誌を売るコミケを守ることが、なぜ日本の国益と世界平和につながるのか?の画像1筆者提供
 こんにちは、江端智一です。

前回「著作権侵害の同人誌でも、コミケ会場なら許される? マンガ家の太鼓判『黙認ライセンス』」では、赤松健先生の提唱された「黙認ライセンス」(CVライセンス)の概要についてご説明致しました。

 「二次創作同人誌の作者による、コミケ当日だけの販売を許す」ことを、既存のライセンスで実現することは難しいため、赤松先生は、「自分の作品のキャラクターの無制限の使用を許諾しない。だが、コミケでの販売に関しては『見て見ないふり』をする」という新しい概念―― 「黙認」を案出されました。

●まったく新しい概念「黙認」とは

 「黙認」、すなわち「見て見ないふり」というのは、こういうことです。

 ・私(赤松先生)は、コミケによる、私の著作物に関する著作権違反が存在していることを「知っている」

 ・しかし、コミケ開催中の同人誌の販売については、私(赤松先生)は「騒ぎ立てるつもりはない」。

 つまり、CVライセンスは、ライセンスといいながら、実は、なんの許諾もしていないのです。ただ、コミケ開催期間だけは、著作権侵害を「見なかったことにする」という、マンガ家からの宣言なのです。

 CVライセンスマークの使い方は、以下のようになります。

 マンガ家が自分の意思で、自分の作品(マンガ)に、この「CVライセンスマーク」を付与します。

同人誌を売るコミケを守ることが、なぜ日本の国益と世界平和につながるのか?の画像2

 赤松先生の提案では、このように、マンガ家が自分の著作物に対してCVライセンスマークを付与した場合、そのマンガに登場するキャラクターを利用した二次創作同人誌については、

 (1)コミケ会場内で

 (2)コミケ開催日の

 (3)紙媒体による印刷物を

 (4)二次創作同人誌の作者からの直接の手渡しでの販売

以上4つの要件を満たした場合に限り、マンガ家は黙認することになります。

同人誌を売るコミケを守ることが、なぜ日本の国益と世界平和につながるのか?の画像3

具体例で解説します。

 ・上記(1)(2)以外の場所と時間(例えば、秋葉原の同人誌書店など)での販売は黙認しない。
  警察の捜査があった場合でも、著作権者として粛々と対応する。

 ・上記(3)の印刷物には、電子データ(静止画、動画、CG等)は含まない。また、上記(4)は、第三者を介した取引やインターネットによる販売も黙認しない。
  ※電子データでは、黙認した対象を把握できない。また、電子データによる後発的な複製や変更が可能となると、内容や数量が変わってしまい、黙認の意義が失われてしまうから。

 ・なお、二次著作物の内容については、エロでも、グロでも、ボーイズラブ(以下、BLという)でも、なんでも黙認する。ただし、コミケ運営委員会の自主規制の範囲内であることが前提条件。

BusinessJournal編集部

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