15日発売の週刊誌「FLASH」(光文社)は、アルピニスト・野口健氏が元マネージャーや事務所スタッフに暴行やパワハラ行為をはたらいていたと報じた。
弱冠25歳でエベレスト登頂に成功し7大陸最高峰登頂の世界最年少記録を達成(当時)するなど登山家としても知られるNPO法人PEAK+AID(ピーク・エイド)代表の野口氏は、富士山やエベレストの清掃活動、ヒマラヤでの学校建設のほか、これまでに携わった活動の一部だけでも以下におよぶなど、社会活動家として知られている。
・「マナスル基金」を設立し、ネパールのサマ村で学校・宿舎を建立
・フィリピンのセブ島を中心に行われた遺骨調査団に参加するなど、「遺骨収集」活動に従事
・2015年に発生したネパール地震での震災支援を目的とし、「ヒマラヤ大震災基金」を設立。現地に大型テントを約600個支給し、コミュニティホールを再建。
・16年の熊本地震に際し、「熊本地震テントプロジェクト」を立ち上げ。被災地にテントを届ける活動を展開。
また、「アジア・太平洋水サミット」(07年)に出席したり、原子力発電に関する啓蒙活動を行う日本エネルギー会議の発起人を務めたりと環境問題に関する言論活動も積極的に行っている。
「野口氏は過去、原発反対や再生可能エネルギー推進に対し批判的な発言をしているが、東京電力やコスモ石油などのエネルギー企業からスポンサードを受けていることがクローズアップされたこともあった。実際、大手電力会社や原子力関連団体のイベントへの出演も多い」(メディア関係者)
一方、東京都知事選で応援演説にも立った小池百合子都知事とは20年近く親交があり、石原慎太郎元都知事(2月に逝去)とも親しいなど、政治家とも交流が広いという顔も持つ。
「小池氏と知り合った頃だと思われる2000年代前半から、たびたび野口氏の国政進出が取り沙汰されてきた。実際に本人も本気でその道を模索していたが、10年ほど前に断念したとされる」(全国紙記者)
永田町での評判
そんな野口氏だが、「FLASH」記事によれば、元マネージャーのみぞおちを強く肘で殴るなどの暴行をはたらいたり、些細なミスをしたスタッフへLINEで深夜に長文の叱責メッセージを送るなどのパワハラを行っていたという。
「野口さんは世間的には聖人というかクリーンで真面目な人という印象が強いが、実際にやりとりすると、彼の高圧的な態度に驚くという声は以前からあった。政党関係者や国会議員秘書の間では“付き合うと面倒な人”“相手の立場によって態度を変える人”という評判なので、今回の告発もあまり驚いていない」(元地方紙記者)
また、前出のメディア関係者はいう。
「野口健さんの一連の活動がどういう動機に基づくものなのかはわからないが、実際に自ら行動してさまざまな支援活動や社会貢献活動を強力に推進し、多くの人々の役に立ってきたという事実は揺るがない。“自分は正しいことをしている”という強い信念と、自分に対しても他人に対しても高いパフォーマンスや努力を求めすぎることなどが相まって、結果としてスタッフへの問題行為につながってしまった可能性もあるかもしれない」
ちなみに「FLASH」で告発を行った元マネージャー・小林元喜氏による著書『さよなら、野口健』が今月出版されるが、出版元である集英社のサイト上に掲載された書籍紹介コーナーには次のような言葉が並んでいる。
「野口健はモンスターか、善意の活動家か?
人が人に関わることの、真の意味を問うノンフィクション」
「野口健は登山家として本当に『三・五流』なのか?
なぜ小池百合子をあれほど応援したのか?
さまざまな社会貢献を続ける本当の理由とは?」
野口氏による釈明が待たれる。
(文=Business Journal編集部)