兵庫県明石市の泉房穂(いずみ・ふさほ)市長が、日本子育て支援協会が実施する「日本子育て支援大賞」の主催者から大賞を受賞させる条件として計80万円を要求されたと暴露し、ネット上で波紋が広がっている。
泉市長は15日、自身のTwitterで「『日本子育て支援大賞』というとイメージがいい。普通にいただけるなら、ありがたく思う。しかし、お金で賞を買うとなると、話は違う」と切り出し、「実は今年の3月に主催者から『大賞』に推薦したいと明石市に連絡があったが、お断りをした。大賞受賞の条件として、金銭を要求されたからだ。大人の世界だ…」と経緯を明かした。先方からのメールの画像も公開されている。
さらに、泉市長は「受賞の条件として『ロゴ使用料70万円』と『トロフィー代10万円』が必要と言われたので、ロゴは使わないし、トロフィーもいらないので、賞だけというわけにはいかないのかと、主催者に直接問合せをしたが、他の自治体には払ってもらっているので、とのことだった」と具体的な金額を明かし、「関係者の皆さん、見直しの検討を!」と訴えた。
「日本子育て支援大賞」は2020年に第1回が実施され、子育て世帯にとって魅力的で役立つ商品やサービスに賞が与えられていた。第2回から企業分門に加えて「自治体部門」が設立されたようで、今年の第3回の受賞について明石市に「推薦」の連絡があったということのようだ。
公式ホームページに記載された「選考の流れ」によると、同大賞は一般公募及び事務局によるノミネート方式で、子育て支援関連企業に勤務するママ社員・パパ社員計10名による1次選考、審査委員会の選考会議による2次選考によって受賞が決まるとされている。
ちなみに、第3回は7月に表彰式が行われ、自治体部門で東京都八王子市、大阪府枚方市、茨城県境町、岡山県奈義町が受賞した。
これにネット上では「金で買える賞って本当にあったのか?」「〇〇〇セレクションとか〇〇〇デザイン賞とか、こんなのばっかりなんだろうな」「お金払わないともらえない賞ってなんなの」といった声が寄せられ、反響が広がっているようだ。
大手企業の「課税額」投稿でも物議
泉市長は2月、市内に工場を持つ川崎重工業の法人市民税の課税額が載った書面をTwitter上で無断公開(現在は削除)したことでも物議を醸した。
法人税割が5年連続で「0」になっている部分に色付けして「ゼロってなんだかなぁ」とコメントし、市議らが「秘密の漏洩にあたる」として神戸地検に告発状を提出する事態となっているのだ。泉市長側は「市民に知らせることには公益性がある」として、違法性はないと主張している。
良くも悪くも“暴露系市長”と呼べるようなあけすけっぷりで、今回の「日本子育て支援大賞」の一件もメールの文面までさらされてしまった。
いずれにしても、泉市長の在任中は明石市に“受賞ビジネス”のお誘いがくることはなさそうだ。