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さらに、この調査では不正受給の疑いがある場合など、真にやむを得ない場合には、銀行に対して、口座の有無や取引店及び調査時点の残高といった情報以外の情報提供の協力を依頼できることになっている。しかし、銀行側では個人情報保護の観点から、この部分については懸念を持っている。
もう1点、銀行側には不満がある。この調査に協力するとなれば、担当者の設置といった人件費を含め、コストがかかることになるが、このコストについては銀行側が負担することになる見込みだ。その上、調査結果を各福祉事務所に回答する際の郵便料金についても、福祉事務所が負担するという明確な決まりがない。
基本的には、依頼のあった各福祉事務所に請求できることになっているが、「支払いを確約するものではなく、福祉事務所との間で交渉が必要」(全銀協)としている。
厚労省側は、「現在の各福祉事務所が銀行の複数の支店に別々に照会している実態を考えれば、この方法はそうした手間が必要なくなることや、より多くの支店の状況も把握でき、資産調査が効率的、効果的に実施できるようになる」と期待を寄せている。
果たして、厚労省が画策する生活保護不正受給者摘発の大調査は、結果を残すのか、それとも禍根を残すのか。
(文=鷲尾香一)
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