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できれば、その店の月次売上推移とかPOSレジのデータのような、彼らの景気判断の裏付けになるような数字を提供してもらえば一番いいのだが、おそらく社外秘だろう。実際のヒアリング調査は電話で行われ、それもオペレーターがかけるのではなく自動音声で質問してくる。答えは電話のボタンを押して送信し、コメントを言って録音してもらうという方法なので、売上などのデータを確認している時間はないと思われる。
「景気ウォッチャー調査」は「庶民の視点」という考え方自体は良いのだが、偏りが出ないようにする対象の選び方や調査・集計の方法で、改善すべき部分が多々ある。
日銀短観はLIBORのように結果を操作される懸念があり、景気ウォッチャー調査はもうひとつ信頼が置けない。そこにはヒアリングという調査方法自体の限界があるように思えてならない。景気判断の材料としては、景気動向指数、鉱工業生産指数、完全失業率などとは異質なものとして、とらえるほうがいいのかもしれない。
(文=寺尾淳/ジャーナリスト、フィナンシャル・プランナー)
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