外貨預金の損失で「節税」できる?
啓子「そういえば、亮子さんは最近頻繁にニューヨークに行っていますよね」
亮子「そうだね」
啓子「外貨への両替は毎回のようにしているのですか?」
亮子「ニューヨークではほとんどキャッシュは使わないので、クレジットカードとデビットカードを使ってます。ソニー銀行のデビットカードはとても便利で、外貨預金からそのまま引き落としてくれるの。手数料は外貨預金に預け入れたときの為替手数料だけで、カード決済時にはかからないから本当に便利で」
啓子「外貨預金といえば、預金なのに利息以外の所得が発生する可能性があります。円にしたりドルなどにしたりするタイミングによって、税金の額が変わってくる可能性もありますから、外貨預金の税金について少し整理してみますね」
為替で損が出たときは節税のチャンス?
外貨預金を始めると、為替相場の変動によって、得をすることもあれば、損をすることもあります。損になったらがっかりするかもしれませんが、確定申告をすることで税金を減らすことができる可能性があります。がっかりするだけで終わってはもったいないので、ぜひ覚えておいてください。まずはそもそも、外貨預金の損や得とはどういうことか、整理してみましょう。
<得する場合>
1ドル=100円のときに、100万円のドル建て預け入れをし、1ドル=110円のときに払戻しをしたとき。
・預入:100万円 ÷ 100円 = 1万ドル
・払戻:110円 × 1万ドル = 110万円
100万円を預け入れて、その後払い戻した結果、10万円得をしたことになります。
<損する場合>
1ドル=100円のときに、100万円のドル建て預け入れをし、1ドル=90円のときに払戻しをしたとき。
・預入:100万円 ÷ 100円 = 1万ドル
・払戻:90円 × 1万ドル = 90万円
100万円を預け入れて、その後払い戻した結果、10万円損をしたことになります。
これらが得するパターン、損するパターンです。そして、このような為替取引の損益は10種類の所得のうち、雑所得に分類されます。
得になった場合には、税金が課せられる可能性がありますが、それについては後述します。損が出た場合には、同じ雑所得の他の所得と相殺することができます。所得を減らすことができるので、その分税金が安くなります。損失が出たからといって損失分を申告せずにいると、税金を多く納めてしまうことになりかねませんので、損も漏れなく申告するようにしましょう。