10年以内に確実に年収1年分の貯金をつくる最強の方法…なぜか「貯金の意欲がわく」テクニック
貯金上手になるには、シンプルな算数がものをいう
次のステップは、あなたのやりたいことを実現するために、いくらのお金が必要かを見積もることだ。これは急がないで、おいおいやっていけばいい。現実的な路線を見つけることも大切だからだ。
現実的な路線というのは、前述した「今の生活を楽しみながら、将来の自分にもプレゼントを贈る」というバランスだ。
私が提案している貯金の割合は、手取り収入の15%。月の手取り収入が20万円の人は毎月3万円。ボーナスの手取りが40万円ならそこから6万円。これなら、無理なくできそうではないだろうか。
入社1年目~数年目で収入がまだ少ない時期、特に親と同居ではなく、ひとり暮らしや寮暮らしの人は「そんなにできない」と悲鳴をあげたくなるかもしれない。
でも、あきらめないで工夫してほしい。15%が無理なら、10%からでも5%からでも、月5000円からでもいい。これは最低5年は手をつけないお金として、貯めていく。
するとどうなるか。
22歳で就職。最初の1年目は貯金ゼロ、2年はがんばってやっと10%。でも、24歳から6年間、収入の15%を貯めたら、30歳では1年分の年収が貯まる! 年収250万円なら250万円の貯金、300万円なら300万円だ。たとえ15%が無理だとしても、10%で続けいけば、30代の前半には同様になる。
「特に将来したいことは何もない…」「いくら貯めたらいいかわからない…」とぐずぐず何もしないと、30歳になっても貯金はゼロ。借金があるかもしれない。
30歳で年収分の貯金が手元にあれば、いろいろことができる。たとえば結婚も怖くない(結婚式にお金を使いすぎるのは愚かだと思うけれど)。休職してワーキングホリデーを取得したり、留学や起業、独立してフリーランスになるという選択肢もみえてくる。一方、30歳過ぎて貯金ゼロだと、将来に夢を持つことは難しいかもしれない。
お金で夢は買えないが、お金があると夢がふくらみ、夢を実現するパワーが出てくる
貯金の極意
もうひとつ大切なことは、貯金はすぐに始めることだ。借金にしても貯金にしても、ぐずぐず先延ばしにするのが一番よくない。借金はどんどん膨れ上がり、貯金は増えないまま年だけとってしまう。
貯金といっても、給料を数万円使わずにそのまま普通預金口座に残し、貯めたつもりになっていてはだめ。貯金分は、給料をもらってすぐさま別の口座に移すべし。そうしないと、少し貯まっても、何かの拍子でつい使ってしまい、なかなか増えないままになりがちだ。お金を使う理由と誘惑は千も万もある。
別の口座は、銀行の「積立定期預金」が手軽で便利。普通預金口座から、毎月決めた日に決めた額を定期預金に振り替えてくれる。手数料もかからない。これなら毎月3万円を確実に貯められる。
勤務先に「財形貯蓄制度」がある人は、これを利用するのも手だ。銀行預金より引き出しにくい点がいい。ただし、申し込み手続きは会社によって年に1~2回など限られているところもある。たいていの会社は新入社員が入って間もなくの5~6月に申し込み手続きがあるから、確認してみよう。
ということで、「15%預金」をまだ実践していない人は、この春こそ、今週こそ、始めるときです。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)
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