消費増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業は2020年6月で終了したが、キャッシュレス決済やポイント還元の波は、今後もさらに大きくなっていきそうだ。そんな中、キャッシュレス決済が可能なお店を検索でき、最大限ポイント還元される方法を選んでくれる「AI-Credit」が話題となっている。
リエールファクトリーがリリースした同サービスは、アプリで周辺のお店を検索してくれて、そのお店で受けられる最大還元率の決済方法がわかるというものだ。AI-Creditの創設者である足澤憲氏に、開発の経緯や得するクレジットカードについて聞いた。
ポイント還元率3%のクレカとは
――AI-Creditを開発した経緯について、教えてください。
足澤憲氏(以下、足澤) 新卒で入った会社でクレカの比較ツールを開発していて、社内では同僚の生活スタイルに合わせて「あなたにはこのカードがいい」というアドバイスもしていました。その後、利用者一人ひとりに合ったキャッシュレス決済方法を探せるサービスをつくろうと考え、当時の上司と一緒にリエールファクトリーを立ち上げました。
最近はキャッシュレス決済のバリエーションが増え、期間限定のキャンペーンなども絶えず行われているため、ポイント還元の仕組みも複雑化しています。そのため、「今はどの決済方法が得か」という情報は生モノになりつつある。そこで、AI-Creditでは、どのくらい得になるかが簡単にわかるようにシンプルな金額表示にしています。実店舗のみならず、ネットショップにも対応しており、今後、対応ショップは拡大予定です。
――キャッシュレス決済やポイント還元を有効に使うことができれば、生活は豊かになりますね。
足澤 たとえば、年収を1割上げるのは難しいですが、ポイント還元により支出を抑えることができれば、給料アップと同等の効果が得られます。いまだに現金派の方も多いかもしれませんが、まずはクレカから始めて、スマホ決済に紐づけるだけでも、だいぶ得することができます。そこで、AI-Creditが一助になれば幸いです。
――自称カードマニアで“セコロジスト”の足澤さんは、クレカとポイントカードをそれぞれ40枚お持ちだそうですが、今、一番お得なカードはなんですか?
足澤 21年4月末までは「Visa LINE Payクレジットカード」でしょう。通常、クレカのポイント還元率は0.5~1.5%ですが、このカードは3%です。また、たとえば「d払い」に紐付ければdポイントもゲットできるので、スマホ決済と紐づけて使うことをおすすめします。ただし、紐付けによっては3%還元の対象外となる組み合わせもあるので注意です。
――では、21年5月以降はどうでしょうか?
足澤 「エポスゴールドカード」をウォレットアプリ「Kyash」に連携するのがいいでしょう。エポスゴールドカードは0.5%還元ですが、年間利用額が100万円を超えるとボーナスで1万ポイントが付与されるため、実質1.5%になります。これを1%還元のKyashに紐づけて使えば、合計2.5%の還元率になるからです(※取材後、Kyashにルール変更があり、20年12月11日からクレジットカードチャージ残高での決済は月々500ポイントまでが還元上限となりました。そのため、上記の方法で年間100万円利用した場合の還元率は、最大1%ではなく最大0.6%となります)。
もし、年間利用額が100万円を下回ったり、大きく上回ったりする人は、「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス」もおすすめです。こちらは「QUICPay」での支払い限定ですが、3%還元になります。
今後は、いまだに0.5%程度の還元率でキャンペーンも打たないようなカードは、かなり厳しくなると予想しています。現在、発行枚数は楽天カードがトップですが、クレカ市場は覇権争いが激化する戦国時代に突入したと言えるでしょう。
●「AI-Credit」