市販薬を買った分だけ税金負担を安くする方法!
いくら税金が軽減されるのか?
セルフメディケーション税制は支払った市販薬等の購入費用のうち、一定金額を所得から控除することで税金負担を軽くする仕組みです。どの程度軽減されるかは、所得の金額によって異なります。所得によって所得税の税率が異なるためです。この点は、従来からある医療費控除と同じです。具体的には、
・セルフメディケーション税制で軽減される税金 = 控除額 × (所得税の税率 + 住民税の税率)
となります。例えば、給与収入600万円会社員(給与収入以外の収入なし)の場合。所得税率を20%、セルフメディケーション税制による控除額が4万円であると想定すると、所得に課せられる住民税率は一律10%なので、
・軽減される税金 = 40,000円 × ( 20% + 10% ) = 12,000円
ということになります。
セルフメディケーション税制を利用するための3つのポイント
ただし、医療費控除と同様、薬代などをすべて控除できるわけではありません。第一に、控除対象となる商品が厳密に決められています。対象品目となるのは特定医薬品であり、ドラッグストア等で購入できる医薬品のすべてが対象となっているわけではありません。
第二に、控除できる額には限度があります。対象品目の購入費であれば、いくらでも控除できるというわけではありません。第三に、セルフメディケーション税制を利用するための要件があります。きちんと健康診断を受診している等、税制利用のために必要なことがあります。この3つのポイントをクリアして、なおかつ医療費控除より有利な場合に、セルフメディケーション税制が力を発揮する、というわけです。
どんな費用が対象になるの?
「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合」に、セルフメディケーション税制を適用することができると定められています。この「特定一般用医薬品等購入費」とは、医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)と、ドラッグストアで購入できるスイッチOTC医薬品(医療用医薬品の成分を含み、処方箋なしで買える市販薬)の購入費をいいます。具体的には以下のような方法で、対象品目であるかどうかをチェックすることができます。
(1)対象品目一覧表を確認する
セルフメディケーション税制の対象商品は厚生労働省から「対象品目一覧」として公表されています。以下の図は厚生労働省のウェブサイトから一部抜粋したものです。五十音順で販売名が並び、販売名と製造販売業者名が記載されています。