今さら聞けないビットコイン&ブロックチェーンの超基礎知識
銀行や企業は「ブロックチェーン」をどう活用しているの?
――最近、大手銀行や大企業がブロックチェーン技術を導入しているというニュースをよく耳にします。どういうかたちでブロックチェーンの技術を活用しているのですか?
藤田 今はコスト削減が一番の目的だと思います。たとえば、送金コストが軽減されます。
日本にある円をドルに替えてアメリカに送金する場合、数千円の手数料がかかりますし、受け取り先にも手数料がかかることもあります。これは、個人であろうと銀行のグループ間であろうと同じです。しかし、グループ間でブロックチェーンを活用して仮想通貨をつくれば、送金にかかるコストが効率化できます。
ブロックチェーンを「お金」という分野に応用すれば「仮想通貨」になりますが、実はブロックチェーン自体の活用の幅は大きいんです。ブロックチェーン技術の本質は、「AからBへ情報を間違いなく送れる」という点です。
これを応用すると、たとえば不動産の登記や契約にも使えます。不動産の売買などのやりとりをする場合、司法書士の方に書類の作成を依頼します。つまり、司法書士さんの知識が「このやりとりに間違いはない」という信頼性の担保になっているわけです。
この一連のやり取りを、ブロックチェーンの技術で行うこともできるわけです。すでに、アメリカの一部の州では不動産の登記をブロックチェーンで行うという動きもあるようです。
ほかには、ダイヤモンドの登記情報にも活用されています。ダイヤモンドには「ヴァージンダイヤモンド」という言葉がありますが、一番はじめの所有者のダイヤは価値が高いんです。そこで、「このダイヤはあなたで何番目の所有者ですよ」という登記情報にブロックチェーンを活用している例もあります。
ブロックチェーン技術の可能性はまだまだあり、たとえばブランド品の偽造防止にも活用できると思います。製造元で商品をつくった段階から、その情報をブロックチェーンで記録していけば、どれだけ人の手を渡った品物でも、本物か偽物か判別できるようになります。鑑定書や証明書のような役割を担うことになりますね。ほかにも、書き換えられてはいけない法的な契約や書面、たとえば遺書にも応用できるかもしれないですね。
(構成=編集部)
(第2回へ続く)
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