片山さつき大臣口利き疑惑で話題の「青色申告」、取り消されるとトンデモナイことに！

青色申告のメリット

　さて、どうして100万円払ってでも、青色申告を取り消されたくないのかというと、青色申告には特典がいろいろとあるからです。効果が大きいものだと、「欠損金の繰越」でしょうか。赤字を最大10年繰り越せます。

　青色申告を取り消されると、何年もかけてためた欠損金がなくなるかもしれませんし、その場合、翌期以降に法人から多くのお金が流出する可能性があります。これは避けたいでしょう。100万円払う動機としては十分です。

　当該法人は、青色申告が取り消される前に片山事務所へ相談しました。取り消される場合は、具体的に明示されていて、税務調査などによって以下のことが判明した場合に取り消されます。

・帳簿書類の備付けが行われていなかった
・帳簿書類を提示しなかった
・税務署長の指示に従わなかった
・隠ぺい、仮装があった

　これら以外にも、2期連続で期限後申告の場合は取り消されますが、今回の報道によるとこれには当たらないようなので、上記のどれかの可能性が高いと思われます。顧問税理士がいる場合は、上記のようなことはあまり起こりません。真相はわかりませんが、税務上の手続きだけを見ても、矛盾が伺えます。

　片山氏が、税務署や国税局に電話で連絡をすることは可能です。しかし、それを実際に行ったかは不明ですし、国税側がそれを受け入れるかも甚だ疑問です。自分の都合のいいように解釈する素人や、保身のために嘘をつく人間を信じず、証拠が出るまで見守るのが懸命です。
（文＝さんきゅう倉田／元国税職員、お笑い芸人）