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実録・投資素人の筆者が投資に挑戦!口座開設からレポート、いきなり躓いたワケ

文=武松佑季/フリーライター
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スマホでも投資が簡単にできる時代に
投資のイメージ(「Getty Images」より)

 気がつけば知人間での会話トピックに資産運用系トークが増えてきた。筆者はそれをどこぞ異国の言葉のように聞き流していたが、いつの間にやらアラフォーに突入。「みんながいつの間に大人になっている?」と焦り、そんな会話に「自分も混ざりたい!」と願っても、小難しい話から逃げまくっていたツケが回り、投資なんて何から始めていいのかさっぱりだ。

 そんな折、投資体験ルポ連載のお話が舞い込んだ。これは渡りに船ということで、財テク能力ゼロのアラフォーフリーライターが、自腹でゼロから投資にチャレンジすることになった。

 細かい用語や制度の説明は他の解説サイトや動画に任せるとして、素人投資家がどうなっていくのか、本連載はそのドキュメンタリーである。

二大ネット証券、「楽天証券」「SBI証券」で口座開設

 とはいえ、小学生並みのマネーIQの筆者が自力でやっても仕方がない。ということで、編集部が監修役としてオファーしてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さん。これまで何冊もの投資関連本を出版、マネー系の講演を日々こなすプロフェッショナルなお方だ。実に心強い。

 投資といえば安直に株を連想する筆者だが、高山さんによると、「どの銘柄(企業)の株を買えばいいのか、業績や株価を見なくてはいけないので難易度はやや高め。さらに通常は100株など最低限の株数での購入になるので、いろんな銘柄の株を購入するとなると非常にお金がかかります。対して、超初心者でも安心して始められるのが『投資信託』の、特に『つみたてNISA』になります」という。

 それでは「つみたてNISA」をやってみよう。しかし、筆者には「投資信託」が何なのかすらわからない。

「ざっくり説明すると、プロのファンドマネージャーが選んだ国内外の株式、債券、不動産などのパッケージ商品で、100円から買える金融商品です。その種類は約6000本もあります。そのなかで、国が厳選した約200本の優良な投資信託を購入でき、しかも利益に対して非課税となる制度が『つみたてNISA』なんです」(高山さん)

 年間投資上限額40万円、非課税期限20年らしいが、初心者が運用するうえで、とりあえず気にすることではないだろう。そして、「つみたてNISA」を始めるには、投資信託を売買するための証券口座を開設する必要があるそうだ。

 証券会社が何なのかもよくわからないが、取引手数料の安さやポイント運用の利便性などから、数ある証券会社のなかから「楽天証券」と「SBI証券」という二大ネット証券が初心者向けだという。

ということで、さっそくこのふたつの証券会社で証券口座を開設することにした。

納税方法の選択……いきなりのつまずきポイント

 まずは「楽天証券」。メール登録と免許証を撮影してお客様情報の入力へ。「名前」「性別」「生年月日」「住所」「電話番号」の入力は問題ないのだが、さっそく引っかかったのが「納税方法の選択」。

「特定口座開設 源泉徴収あり」と「特定口座開設 源泉徴収なし」と「特定口座開設しない 源泉徴収なし」の3つから選ぶのだが、これはいったい何なのか。

「これは『つみたてNISA』以外の利益に対する納税方法を決める画面です。それぞれの特徴は以下の通り」(高山さん)

・『特定口座開設 源泉徴収あり』…投資で利益が出たら税金を証券会社が自動で引いてくれた額が口座に入金されるので、確定申告が不要

・『特定口座開設 源泉徴収なし』…確定申告は自分でしなくてはいけないが、確定申告をしやすくする明細は作成してくれる

・『特定口座開設しない 源泉徴収なし』」…確定申告も自分でして明細もつくってくれない

「基本的には『特定口座開設 源泉徴収あり』でいいと思いますが、こちらの場合、『つみたてNISA』以外でも非課税となる20万円以下の利益に対しても強制的に税金を支払うことになります。もし大きく儲からない予定であれば、『特定口座開設 源泉徴収なし』でもいいかもしれませんね」(高山さん)

 筆者はまがりなりにも自営業なので、確定申告の概念はなんとかわかる。また、今後「つみたてNISA」以外の投資をしたとしても、そこまで利益を出すほどがっつりやるかもわからない。結果、『特定口座開設 源泉徴収なし』を選択することにした。高山さんがいなければ、もうここで挫折するところだった。

 次に「NISA口座の選択」では、冒頭の通り「つみたてNISA」を選択。通常の「NISA」との違いはスペースの関係で割愛するが(決して理解してないわけではない)、とにかく「つみたてNISA」が初心者向けなのだ。

 続いて、連携するといろいろお得だということで、「楽天銀行」を「申込む」、すでに保有しているが、「楽天カードの案内」も「受け取る」を選択。

 自分の掛け金を運用し、その利益で公的年金に上乗せできるという「iDeCo」もこの段階で申し込むことができるが、吹けば飛ぶようなフリーランスの身の上には分不相応な気がしたので見送る。「FX」や「信用口座」も怖いイメージだし、高山さんも「特に必要ない」とおっしゃっているのでパス。これで口座の設定は完了。口座開設完了の連絡を待つ。

スマホ撮影で最初の挫折

 その間、もうひとつの大手ネット証券「SBI証券」もついでに設定してみようと息巻くも、身分証の撮影で顔写真認識エラーが起こり、3度ミスを繰り返したところで操作不能に。「『楽天証券』では問題なかったのに何なんだ、システムが甘いんじゃないのか!」と腹が立ち、高山さんも「ひとつで運用すれば十分」と言ってくれているので、「SBI証券」の口座開設は断念。「楽天証券」一本で運用していくことにする。

 4日後、「楽天証券」の口座開設完了のメールを受信。「いざ運用!」とログインすると、マイナンバーを登録しろとの通知が出た。マイナンバーの撮影には楽天証券用のトレードツールアプリ「iSPEED」が必要ということで、インストールしてマイナンバー通知カードを撮影。すると、「読み込みに失敗しました」のエラーメッセージ。これが何度やっても変わらない。

 スマホによる認証とは、なんと難儀なものなのか。投資という未知の大海。まったくもって、先が思いやられる船出となった。次回こそは運用をスタートさせます。

(文=武松佑季/フリーライター)

監修:高山一惠
ファイナンシャル・プランナー(CFP)/(株)Money&You取締役
2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後、株式会社Money&Youの取締役へ就任。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書は『やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)、『パートナーに左右されない自分軸足マネープラン』(日本法令)など多数。

武松佑季/フリーライター

武松佑季/フリーライター

1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。

Twitter:@yk_takexxx

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