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しかし、多くの日本人は、近い将来必ずやってくる金融危機に対してあまりにも無警戒だ。それは、フェイクニュースや偏向報道、統計不正などにより、「都合の悪い真実」はきちんと私たちに届いていないからだという。
国の経済活動の指標となる国内総生産(GDP)統計にしても、推測数字からの計算のため、発表のたびに「数字がおかしい」「なんとでも加工できる」「お粗末だ」と指摘する声が後を絶たない。逆に、事実を伝える報道があっても、その裏を読み解く力がなければ、真逆の結論にミスリードされる恐れすらある。
そんななかで、塚澤氏は政府統計のなかで「景気ウォッチャー調査」が唯一信頼できる統計だという。これは日本の12地域の小売店やサービス産業など景気に敏感な職種を対象に2000人にインタビューし、その結果を集計、分析したもので、毎月1回内閣府が発表する。
「この統計を読むにもコツのようなものが必要なのですが、世界的な金融危機が到来することを読み解くことができます。しかも、昨年10月頃から日経平均株価は急落し、株価と実体経済の乖離が解消しつつある。このまま実体経済が悪化していけば、金融危機が到来するのはもうすぐです。そして、金融危機となれば、企業は人員整理のために首切りを加速します」(同)
そのため、「自分は株式投資とは関係ないから」と高をくくっていてはいけない。塚澤氏は「ボーッと生きていてはいけません。レッツ・シンクです。ぜひ、自分で考える力を身につけてほしいです」と警鐘を鳴らす。
統計や報道がどうゆがめられ、フェイク経済がつくられているのか。日本の金融市場にはどのような危機が迫っているのか。その真相を知るために、ぜひ本書を一読してほしい。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
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