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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

かんぽ生命「もっとその日からプラス」が話題…高額療養費や差額ベッド代等にも備え

文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
かんぽ生命「もっとその日からプラス」が話題…高額療養費や差額ベッド代等にも備えの画像1
かんぽ生命「もっとその日からプラス」のHPより

 かんぽ生命保険は2022年4月1日より「医療特約 もっとその日からプラス」を発売した。昨今の医療環境を踏まえ、短期の入院にも長期の入院にも、そして外来の手術にも手厚い保障を提供するとあって、早くも保険業界で注目されています。しかし、19年に発覚したかんぽ生命の不祥事は解決した上での発売なのでしょうか。新商品情報とともに募集体制などについて、かんぽ生命広報部(以下、かんぽ)に聞きました。

――「医療特約 もっとその日からプラス」が4月1日から発売されました。保険業界では早くも評判です。改定の目的は何ですか。

かんぽ 今回の新医療特約は手頃な保険料で手厚い医療保障を準備したいというお客さまのご要望にお応えしたものであり、短期の入院でも手厚い保障、長期の入院ではさらに手厚い保障を提供することを目的としたものです。当社では、「お客さまの人生を保険の力でお守りする」ことを社会的使命として掲げており、新医療特約は、万が一の際、お客さまには治療費などのお金の心配をせず、安心して治療に専念していただきたいという、当社の想いを形にしたものとなっております。

――改定のポイントを教えていただけますか。

かんぽ ポイントは大きく4つあります。1つ目は、「短期入院にも長期入院にも安心な手厚い医療保障を提供」することです。近年、医療の進展により入院日数は短期化しており、7日以内の短期入院の割合は約2人に1人となっています。入院1日でもお受け取りいただける入院保険金日額の20倍の「入院一時金」で手厚く備えることを可能にしました。

 一方で、病気によっては数カ月の長期入院となることもあります。入院1日目から30日ごとに最大5回お受け取りいただける「入院一時金」で手厚く備えることが可能です。また食事代など毎日かかる費用には、入院日数に応じてお受け取りいただける「入院保険金」で備えることが可能です。

――業界の傾向として入院一時金の保険が数多く発売されていますが、初日に一時金が1回だけ支払われる保険が主流です。そんななか、「もっとその日からプラス」は入院一時金が初日および30日ごとに支払われる上、入院日額の保障もついている。一時金が複数回支払われて、さらに日額が保障される貴社の医療特約は他社ではほとんど見受けられないとあって、業界でも大きな話題です。

かんぽ これは2つ目のポイントとなりますが、複数回支払われる入院一時金と入院日数に応じて支払われる入院保険金により、「お客さまの医療費の負担にマッチした医療保障を提供」することを目的にしています。入院されますと、公的医療保険制度の対象となる医療費だけでなく、公的医療保険制度の対象とならない食事代・差額ベッド代などの費用がかかります。

 医療費は、公的医療保険制度における「高額療養費制度」により、所得金額に応じた1カ月ごとの自己負担限度額が決められています。この公的医療保険制度の対象となる医療費には、入院保険金日額の20倍を入院初日、30日目、60日目、90日目、120日目に達したときにお受け取りいただける「入院一時金」で備えることが可能です。

 一方、公的医療保険制度の対象とならない食事代・差額ベッド代などは全額自己負担となります。この費用については、入院日数に応じて支払う「入院保険金」で備えることが可能です。「もっとその日からプラス」は、高額療養費制度適用後の医療費の自己負担分を入院一時金で備え、毎日負担が生じる食事代や差額ベッド代を入院保険金で備えることができる商品となっており、お客さまの医療費の負担にマッチした医療保障を提供しております。

外来手術にも手厚い保障を提供

――他社商品では、同一疾病で入院した場合、退院後180日以上空いていないと入院日額の費用は支払われないところもありますが、貴社の場合はいかがですか。

かんぽ 新特約では、退院後、同一疾病で入院しても60日経過後であれば、新たな入院とみなして保険金が支払われることになります。

――60日経過後に同じ疾病で入院したら、入院初日の入院一時金は再度、支払われるのですか。

かんぽ お支払いします。

――手術保険金も改定されていますね。

かんぽ これは3つ目のポイントになりますが、「外来の手術の定着を踏まえ、外来手術にも手厚い保障を提供」できるよう手術保険金の改定を行いました。医療の進展により、外来の手術が定着し、手術の約半数は「外来」で実施されています。2019年度の厚労省「社会医療診療行為別統計」によると、外来手術の割合は46.8%、つまり手術をされた方の2人に1人は外来手術をされたことになります。入院中の手術だけでなく、外来の手術にも備えておく必要があります。「もっとその日からプラス」なら、外来の手術でも、入院の手術でも、同じ金額をお受け取りいただける「手術保険金」で手厚く備えることが可能です。

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※緩和型医療特約については、加入年齢や保険種類等により、基本契約の保険金額の5倍まで設定可能。

死亡保障と医療保障を低廉な保障で提供

――伺っていると、確かに保障は手厚いと感じますが、その分、保険料が高いのでは。

かんぽ これは4つ目のポイントになりますが、新特約では、お客さまのご希望に沿った死亡保障と医療保障を低廉な保障で提供することできると考えております。当社は従前より、養老保険や終身保険といった死亡保障に医療保障を組み合わせて保障を提供することで、お客さまにとって必要な基礎的な保障を提供してまいりましたが、今回の「もっとその日からプラス」は死亡保障を抑えつつ、医療保障を充実させることができるようになったため、死亡保障が小さくてよいお客さまにとっては、より安価な保険料で、死亡と医療、両方に備えることができる商品となっています。

 新しい特約は、新規業務に係る上乗せ規制が届出制に移行してから初の新商品となりましたが、日本郵政による株式の保有比率の低下は、かんぽにとってどのような意味を持つのでしょう。次回、紐解いていきます。

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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