そして、強行採決と同じ11月4日には鈴木宗男氏の長女、鈴木貴子議員の結構披露宴が行われました。本来なら緊急上程して、その日のうちに本会議でも可決したかったと思いますが、本会議は流会になりました。披露宴に遅れて参列した安倍総理は、緊急上程しなかった理由を「披露宴に出席している議員たちを呼び戻すわけにもいかないからね」と言っておりました。もちろん、冗談だとは思いますが。
安倍総理や自民党のためではなく、「日本の国益」のために、なんとか軌道修正をしてロシアとの交渉が進むよう期待しています。
国会の日程を決める際に、重視されること
ところで、衆議院の解散に限らず、国会の召集や大臣の任免を行う際、その日程を決めるのに天皇陛下のご予定が大きな影響を与えているということをご存じでしょうか。
日本国憲法で規定されている、天皇が行う「国事行為」の中に、内閣総理大臣の任命、国会の召集、国務大臣の任免、衆議院の解散があるからです。
官邸や与党の国会対策委員会では、上記のような行事の日程を調整する際、「すぐに天皇陛下の日程を確認して」「天皇陛下の日程を確保できるか問い合わせして」などと、スタッフに命じます。
国賓の訪日や国民に広く知られている行事など、衆議院の都合で変更できない内容でない限り、天皇陛下は国事行為を行ってくださいます。
一方で、天皇陛下のご日程の関係で、与野党の幹部が内々で決めた国会召集日がズレることもやむなしなのです。
もちろん天皇陛下がご自分の判断で、国会を召集したり解散したりするわけではありません。あくまで「内閣の助言と承認に基づいて」行い、「内閣がその責任を負う」こととされています。
もはや形式的なものになってしまっている感はありますが、この点を深く追求すると憲法改正についても言及しなければなりませんので、それはまたの機会にしたいと思います。
(文=神澤志万/国会議員秘書)