会社で出世する人と落ちこぼれる人。その差はいったいどこにあるのか。それは「口ぐせ」にある。普段、見聞きし、考えていることは言葉に出るもの。口ぐせが人生を変えることにもなるのだ。
『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(吉田典史/著、KADOKAWA/刊)は、ジャーナリストの吉田典史氏が、25年に及ぶ人事・労務取材で見聞きした会社員の口ぐせの中でも、人生を左右する、意味深いものを選び抜き、「落ちこぼれる言葉」「出世する言葉」を紹介する一冊だ。
25年で2000人ほど会社員を取材してきた吉田氏は、出世競争の勝者と敗者の分かれ目には、一定の法則があることに気づいたという。それは、会社員が競争に負けるのは、自らの意識や考え方に原因があることが圧倒的に多いということだ。
「○○大学を卒業していないから」「どうせ、俺は…」と口にし、ライバルと競い合う前に、闘いのリングから降りてしまう。
なぜ、ライバルに負けたのかと突き詰めて考えることはせず、現実から逃避するために、昇進・昇格もできない。そして、負けたことの検証ができないから問題点や課題が残り、ずるずると落ちこぼれていってしまうのだ。
本書で紹介されている「落ちこぼれるしかない人の口ぐせ」をいくつか挙げていく。
■「どうせ、俺は…」
落ちこぼれは、皆に聞こえるように口にする。そして、同情を得ようとするのだ。「どうせ、私は…」とつぶやいた後、周囲の雰囲気や表情を上目づかいでしっかり見ているはず。弱者のふりをしつつ、自分にとって都合のいい状況をつくろうとするのが、落ちこぼれの性癖。優しい言葉をかけてほしいならば、日ごろから周囲に親切に丁寧に接しないといけないはず。
普段から相手に投げかけた言葉が返ってくるものなのだ。ところが、自分のことしか考えていないから、周囲のことがわからないのだ。
■「時間がない」「忙しい」
この言葉を口にすると状況が一段と悪くなる。目の前の仕事に集中しすぎるあまり、広い視野で全体を見ることができなくなる。出世する人は、半年後、1年後、3年後と長いスパンでとらえる。いったん仕事を休止して、これからどうするべきか、現状をどう改善するべきかと考える時間を設け、対策を練ることができるのだ。
他にも「もう、若くないから」「疲れた~」「ベンチャー企業なら」「あの人は○○大学を出ているから」などがある。
普段の言動を振り返ってみて、愚痴やマイナスな言葉、自分を卑下するような言葉が口ぐせになっていないだろうか。普段の言動は、周りの人から見られているもの。まずは自分の口ぐせをチェックしてみた方がいいかもしれない。そして、言葉の大切さを知り、聞く側に配慮した言葉など、よく考えて言葉を口にすることが大事なのだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。