逃げるという選択肢
とはいえ、中には、どうしても仕事に対して前向きになれそうにないという人もいるでしょう。「今の仕事は本当に自分のやりたいこととは違う」「家族や趣味は大事だけれど、どうしても仕事には興味がわかない」といった思いから、意欲的にならないのかもしれません。
そういう人は、心が折れそうになった時にどうすべきでしょうか? 実は、心を折らずに済む選択肢はあります。
それは、心が折れそうになったら逃げることです。心療内科での診断書をつけて上司に配転申請したり、場合によっては病欠しても構いません。病欠が続けば人事の側から配転や休職などの提案があるでしょう。
もちろん、逃げた場合には、ただでは済みません。「負荷の強い業務に耐えられない」というレッテルは人事情報に残るでしょうし、同僚からも一線を引かれた対応を取られるでしょう。場合によっては、村八分的な扱いをされることもあり得ます。しかし、とりあえずメンタルヘルスは保たれるわけです。
本来であれば、そういう人は自分で転職活動を通じて、自分に合った職を見つけるべきでしょう。しかし、なかなか日本ではそれが可能なほど転職市場が発展していないのも事実です。最悪の結果を避けるためなら、逃げることも選択肢の一つとしてカウントすべきです。
(文=城繁幸/人事コンサルタント)
※本稿は、城繁幸氏のメルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」から抜粋・編集したコンテンツです。
【筆者プロフィール】●城 繁幸:人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。
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