~働く女性の不安をやわらげる42の処方箋~』
著:太田 彩子/大和書房
就職から、結婚、出産、子育てなど、女性には様々なライフイベントが待ち受けていますが、できることならずっと働き続けていたいと思っている方も多いはず。
女性の場合、新人の頃、新人卒業後、結婚、そして特に出産、育児中の働き方は大きく変わってしまいます。
では、それぞれの時期に、どのように仕事と向き合えばいいのでしょうか、そして、どうやって成果を出せばいいのでしょうか。
大学在学中に結婚・出産を経験。その後、リクルート社で営業として華々しい成績をあげ、現在は働く女性を支援するビジネスを展開する太田彩子さんが執筆した『これからも働き続けるあなたへ』(大和書房/刊)から、新人を卒業した時期、出産を迎える時期、育児と両立する時期の3つのシチュエーション別に、仕事との向き合い方を本書からご紹介します。
■周囲では出世&結婚ラッシュ でも焦りは禁物
一通り仕事を覚え、順調にキャリアをステップアップしはじめた20代後半頃になると、周囲ではいろいろな変化が起こりはじめるはずです。友人の結婚や妊娠、仕事では頭一つ抜けた活躍をする同期も出てくるでしょう。
そこで考えてしまうのは「自分は本当にこのままでいいのだろうか?」ということ。
そんな悩みに太田さんは「いいんです、大丈夫です」とエールを送ります。他の人たちがどんどん自分の人生の席に座る中で、あなたも自分の座る椅子について意識はするはず。
でも、ここで危険なのは焦りすぎて自分が座りたくもない椅子に座ってしまうこと。間違えたパートナーと結婚してしまったり、自分とはまったく合わない仕事や役職に就かされてしまったりするかも知れません。焦ったり悔しかったりするときこそ、深呼吸です。焦りや悔しさと冷静に向き合い、ちゃんと自分自身を見据えることが大切です。
■結婚、そして妊娠が発覚! 仕事は辞めるべき?
妊娠を機に仕事を辞めてしまう女性は多く、国立社会保障・人口問題研究所の2010年の調査によれば、実に6割の女性が第一子の出産をきっかけとして仕事を辞めてしまうといいます。
そして出産後、しばらく育児に専念してから新しい職場を探そうと考えている女性も多いはずですが、太田さんは会社を辞めるという選択肢は勧めていません。むしろ、できれば「産休」や「育休」を取らせてもらい、会社に籍を残して仕事を続けて欲しいと述べています。
会社を辞めてしまうということは、これまで仕事で積み上げてきた目に見えない財産を手放してしまうということ。働くことで活き活きと過ごせる自分を維持するためでもあるのです。
■出産後、仕事に復帰したけれど…“時間”が足りない!
出産後、しばらくの休暇を経て仕事に復帰したあなた。しかし、保育園や幼稚園などのお迎えの時間があるので、長時間労働することができない。そうなると、復帰したのに、どうしても仕事がおろそかになってしまいがち…そんな悩みが生まれてしまいます。
太田さんは限られた時間の中で成果を出すため、「決して無理をしない」「ひきずらない」「リズムを乱さない」の3つのことをあげています。例えば、子どもが風邪をひいてしまったときは自分も早退しなければいけなくなるでしょう。そんなときは決して計画通り、完ぺきに仕事をこなそうと思わずに、優先事項を決めて、まるでリズムに乗るようにできることから片づけていくことが重要です。
女性は出産すると働き方はガラリと変わります。だからこそ、自由な時間を持てる独身時代には「量をこなして成果を出す」基礎をつくり、出産後は「量を質に換えて成果を出す」ような長期的なライフプランニングを太田さんはお勧めしています。
本書は就職、結婚、出産、子育てといった「ライフイベント」に合わせて、働く不安をやわらげる処方箋が詰まった一冊。様々なケースの不安に真摯に対してアドバイスをしてくれます。
これから社会に出ようとしている人から、今、結婚や出産といった大きな人生のターニングポイントに差しかかっている人、そして仕事と育児を両立しようとしている人は参考にしてみてはいかがでしょうか。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです
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