英単語を覚えるとき、どのような方法を使っているだろうか。ひたすらノートに繰り返し書いたり、表に英語、裏に訳を書いたカードを作って電車の中で覚える、という人も多いだろう。ただ、作業としては単調なものになりがちで、勉強が続かない原因にもなりえる。この単調さがなく、楽しみを感じられる勉強法があれば、もっと英単語学習は進みやすくなるはずだ。
『続 英単語の語源図鑑』(清水建二・すずきひろし著、本間昭文イラスト、かんき出版刊)は、英単語の「語源」に着目し、語源から派生する単語を覚えていく手法が取られている。2018年に刊行され、60万部突破の『英単語の語源図鑑』の続編だ。
本書では、前作では紹介しきれなかった110の語根を掲載している。
■英単語学習は「パーツ」に注目すると効率的
英単語の「語源」に着目する学習とは、英単語を細かいパーツに分けて、それぞれパーツの意味を関連づけながら、その単語の意味を推理する方法だ。
パーツとは、漢字でいう「へん」と「つくり」のようなもの。英単語のパーツは大きく「接頭辞」「語根」「接尾辞」の3種類に分けることができる。なかでも「語根」は、単語の真ん中に来て、意味の中核を成すキーとなるものだ。
たとえば、「profound」(深い、重大な、深遠な)という単語。
パーツに分けると、pro(前に)+found(底)となり、「底の前の」ということで「深い」という意味になる。
語根のfoundが「底」だとわかれば、「foundation」はfound(底)+ation(名詞に)となり、「底になるもの」から「基礎、創設」となる。
というように、たくさんの単語を連鎖的に覚えることができる。
本書によると、語源から学ぶことには、3つの効果があるという。1つ目は、同じルーツの単語を芋づる式に増やせること。2つ目は、語源を知ると、単語の「正確な意味」が見えてくること。3つ目は、「イメージ」にはたらきかけるため、記憶に強く残ること。
本書では、1単語につき1イラストを付け、語源が持つ意味の直感的な理解を促せるような工夫がされている。より立体的な語彙のネットワークが脳内に構築されるのだ。
◇
語源学習は、語源の力によって1万語レベルの語彙が身につくことは、すでに語源研究によって実証されている。1万語というと、英字新聞や雑誌を不自由なく読める程度の語数だ。ちなみに、ネイティブの平均語彙数は3万語、東京大学の入試合格に必要なのは6,000語と言われている。
単調な英単語学習がつらい、大人になって記憶力に不安が……という人は、本書の語源学習を実践してみてはどうだろう。わかりやすいイラストと共に、楽しく記憶に残る英単語学習ができるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。