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「あなたに向かって、ただ立派な作品だと書いたくらいではとても足りません。読んだだけで、わたしにとって実に有益だったからです」
「この作品のおかげで幸せな気持で床につけました」
(『名編集者パーキンズ(上)』422、423ページより)
才能溢れるものの、ひと癖もふた癖もある、偏屈な作家たち。自分が惚れ込んだ作家や作品を信じ、相手が苦しいときは本心から励ます。
こうしたパーキンズの姿勢は、現代に生きる私たちにおいても充分に活用できるものだ。
◇
パーキンズは「作品はその作家のもの」ということをよく知っていた。だから、パーキンズは彼らの才能を伸ばすための黒子に徹したのである。
時にはカウンセラーとなり、時にはマネージャーとなり、時には恋愛相談も受け、時には金貸しの役割も果たす。作家の才能を最大限引き出すために、編集者としてできることをし尽くしていたのだ。
「褒める」ときは全身全霊で。本心から思っていることを小手先で言葉を連ねていても、すぐに見抜かれてしまうだろう。
今に至るまで読み継がれる作品を世に出してきた天才編集者の激励術。これは見習う他ない。
(新刊JP編集部・金井元貴)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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