相手に言われたことに、とっさに切り返して笑いを取ったり、コメントを求められた時に、人とは違った視点からシャープな意見を言えたりできる人ってかっこいいですよね。
こういうコメント力や切り返しの力は、言ってみればセンスの極致。
でも、言葉の専門家であるコピーライターの目からみると、気の利いたコメントや切り返しにはパターンがあり、それを意識することで、誰でも上手に切り返したり、気の利いたコメントを言えるようになるそうです。
■コピーライターが教える「おもしろい表現」の鉄則
コピーライターの川上徹也さんの著書『一言力』(幻冬舎刊)によると、人から「おっ」と思わせる気の利いたコメントは「表現がおもしろいコメント」と「視点がおもしろいコメント」の二方面から考えるといいそう。
その一つ「表現がおもしろいコメント」には、こんなパターンがあります。
・「段違い並行」法……〇〇はないけど、□□はあります。
これは、一般的には「対句」と呼ばれる表現で、二つの対照的な言葉を並べます。有名なところだと、鳥取県知事の平井伸治氏の
「鳥取はスタバはないけど、日本一のスナバがあります」
などが挙げられます。相手の印象に残るコメントをするために、身につけておくといい方法です。
・「最上級」法…〇〇で一番!
1992年のバルセロナオリンピックで、競泳競技において史上最年少となる14歳で金メダルを獲得した岩崎恭子選手が残した
「今まで生きてきた中で、一番幸せです」
というコメントがありますが、「一番であること」「最高であること」を強調するのも、相手に強い印象を与えます。
・「同語反復」法…いいからいい、好きだから好き
同じ言葉をパターンに沿って繰り返すことで、意味が強調されたり、複雑な味わいになったりします。
「いいものはいい」と断言すれば意味が強調されますし、「意味のないところに意味があるんです」といえば、複雑さが生まれます。
ここでは「表現がおもしろいコメント」のパターンの一部を紹介しましたが、『一言力』ではさらなるパターンや「視点がおもしろいコメント」の解説、そして、コメント力に欠かせない「比喩力」の磨き方など、その場ですぐに印象に残るコメントをひねり出すための秘訣とトレーニングが紹介されています。
アドリブが効かなくて…、コメント力がなくて、と悩む人は多いはず。本書はそんな人が自信を持つための助けになってくれるはずです。仕事だけでなく、お酒の席でのトークでも大いに役立つのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。