誰かから褒められた時に、素直に喜べる人もいれば「何か裏があるんじゃ…」と疑ってしまう人もいます。
物事の受け取り方は人それぞれ。「幸不幸は心の持ち方次第」とよく言われますが、もっと正確にいえば「幸不幸は物事の受け取り方次第」といえるかもしれません。
自分の経験をすべてポジティブに捉え、未来に生かそうとする人と、周囲のせいにしたり自分の殻にこもってしまう人とでは、人生の充実度や幸福度は違ってきます。もちろん、幸福を感じやすいのは前者でしょう。
■失われた感受性を取り戻すレッスン
物事の受け取り方というのは感受性の問題です。今、物事をネガティブにしか受け取れないのなら、その感受性は長い時間をかけて今の状態になったもの。変えようと思ったらちょっとしたレッスンが必要です。
『「感受性」を調整すれば もっと気楽に生きられる。』(平林信隆著、Clover出版刊)によると、いつの間にかネガティブに、内向的になってしまった感受性も、毎日のちょっとした心がけ次第で元のポジティブでフレッシュな状態に戻すことができるとしています。
たとえば、物事をポジティブに捉えられなくなる大きな要因として「他人と自分を比較して、勝手に劣等感を持ってしまう」というものがあります。昔は「自分は自分」と思えていたのに、今は他人と自分の比較ばかりしているようなら、なかなか幸福は感じにくいはずです。
こうした状態に心当たりがあるなら、次の3つのことを日々心がけてみましょう。
1.自分で自分を認める
1日1回、「うまくできたこと」を自分で褒めましょう。そして、1日10回「自分は凄い」と口に出します。
2.自分自身に対して素直になる
自分の好きなものと嫌いなものを正直に言いましょう。そして、相手に認められるように無理をすることはやめます。
3.自分は自分、他人と比較をするのをやめる
他人の意見に流されないように気をつけましょう。そして、他人に勝つために行っていることをすべてやめます。
■自尊心は他者への優越感からは生まれない
「相手に認められるように無理することはやめる」も「他人に勝つために行っていることをすべてやめる」も、長年染み付いた価値観や考え方を変える試みですから、とても難しいこと。「それができないから苦労しているんだよ」と言われてしまいそうです。
ただ、理解しておくべきは、こうした取り組みは自覚している意識ではなく、潜在意識にはたらきかけるものだということです。たとえすぐには効果が実感できなくても、生活の中で心がけることで、価値観や感受性が「自分は自分」という方向に変わってくるはずです。