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夢を掴め、強く生きろ! 解決・沖田塾

毎日を漠然としても生き、モヤモヤしているあなたへ…「本当の夢」を見つける方法を教えます

文=沖田臥竜/作家

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 こんな悩みを抱える人に出会った。

「自分が本当にやりたいことが見つからない。惜しみなく努力したいと思えるものがない。それゆえ、毎日を漠然と生きている気がする。どうしたら、沖田さんにとっての『小説』のような、自分の夢を見つけられるのか」

 要は、夢と呼べるものなく、生きることに張り合いがないということらしい。確かに、こんな人は少なくないだろう。

 究極、人間は死ぬために生きているといっても過言ではない。

 よく「後悔しないように人生を生きる」としたり顔で言う人間がいるが、失礼ながら、それはバカである。なぜならば、人間は、常に後悔と隣り合わせで生きているからだ。

 少なくとも私はそうだ。考えてみてほしい。日常生活の至るところで、「ああすれば良かった」「あんなことしなければ良かった」という思いが脳裏に浮かんでこないか。人間はおおよそ、この後悔の念によって支配されているのである。後悔するから、「今度こそはこうしよう」「明日を変えよう」という前向きな想いが生まれてくるのだ。

 まずすべきことは、その仕組みをしっかりと理解した上で、自己の感情をすべて受け入れることから始めるべきではないか。

 漠然と生きていると自覚しながら、やりたいこと探すことは、年を重ねれば重ねるだけ、至難となってくるだろう。だがそもそも、漠然と生きていることは、決して悪いことではない。夢も目的もなく生きていることにモヤモヤを感じるかもしれないが、毎日、それなりの責任を果たし、前進しているはずだ。それだけで十分立派であり、尊いことなのである。自分もそれをどこかで認めているからこそ、貪欲に夢を追い求めるということもしないのだろう。

最期にやりたいこと、やり残したと思ったこと、とは?

 私の場合、常に自分自身にひとつだけ言い聞かせていることがある。

 それは「明日、死ぬかもしれない」ということだ。

 これはある意味、真理でもある。

 仏教語の中に「一切衆生」という言葉がある。この世に生を受けた生きとし生けるものすべてを指すが、それらはいつか必ず死ぬ。死の前では、総理大臣も百姓もなく、みな平等なのである。そして、その死はいつ訪れるかわからない。

 明日死ぬかもしれないと真剣に考えた時、漠然と生きられる余裕があるだろうか。

「へっ、ワシが明日死ぬだって? それでもワシは変わらず、大根を売っているよ」

 そんなヤツは絶対にいない。いても構わないが、本当に明日死ぬと断言されれば、病で体が動かないなどの事情がない限り、最期に何をしようか、やり残したことはないかと考えるはずだ。

 最期にやりたいこと、やり残したと思ったこと……そこが自分の夢に繋がるのではないか。

日々生きていること自体が、すべてチャンスなのである

 誰しも、人生がいつか終わるとはわかっていても、五体満足の身体があるうちは、そうそう明日死ぬとは考えない。それどころではないからだ。それぞれに生活していく上で、やらなければならない業務や業務が存在するし、食べていくことを常に考えないとならない。

 繰り返すが、それも立派で尊い生き方だ。だからこそ、多くの人は、そうした生き方に支配されてしまうのである。

 しかしだ。明日死ぬとなれば、事は別である。それまで通り、漠然とは生きていけないだろう。やり残したことを考えるはずである。

 この、死ぬ前にやり残したこと。最期にやりたいこと。これが夢となって膨らんでいくのである。

 夢というのは、なにもプロ野球選手になりたい、YouTuberになりたいというものばかりではない。

 たとえば、彼女に、彼氏に、家族に、何かをやってやりたい、残してやりたいというのも立派な夢なのだ。
 
 中には、そうした家族もいないという人もいるだろう。そして、明日死ぬと考えたときに、「オレの人生は実にしょうもなかった…あの時こうしておけばよかった……ああ、無念だ……」となったとしよう。この、「あの時こうしておけば……」という後悔こそ、何より大事だ。あなたは実際には、明日死なないのだ。明日死ぬと思って、後悔の念を抱いたのに死なない。それは、チャンスが生まれた瞬間だ。

 つまり、日々生きていること自体が、すべてチャンスなのである。そのチャンスを生かすも殺すも、結局は自分自身だ。

 私は決して、小さな頃から小説家になりたいと思って生きてきたわけではない。25歳のときに、一冊の小説を読み、「オレもこんな物語をかけたら……」ということから始まった。今思えば、それは突然の夢との出会いということになり、小説家になりたいという想いを継続させることによって、自らの夢に育ませたのである。

 決して、夢を日夜探し求めていたわけではない。努力によって、ふとした想いを夢に昇華させたのだ。そして、自ら描いたものがテレビドラマとして、また映画として、陽の目をみることになったのである。

 確実に言えることは、人と同じことをしていても、夢なんてものは叶わないし、見つからない。大事なのは、人と違う発想、そして人よりの努力することなのだ。短絡的だったり、無謀な考えで夢を叶えたりしようとすれば、生活を破綻させるだけである。日常の安定を続ける中で新しい発想をして、努力し続ける。これが大切なのである。

 明日、死ぬかもしれない――。

 そう意識するだけで、自身の考え方や感性が大きく変わってくるのではないだろうか。

(文=沖田臥竜/作家)

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沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

「自分が本当にやりたいことが見つからない。惜しみなく努力したいと思えるものがない。それゆえ、毎日を漠然と生きている気がする。どうしたら、沖田さんにとっての『小説』のような、自分の夢を見つけられるのか」要は、夢と呼べるものなく、生きることに張り合いがないということらしい。確かに、こんな人は少なくないだろう。

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