話し方には知性があらわれる。
一見仕事ができそうでも、しゃべってみると「なんか頭悪そうだな」と思われてしまう人。イケメンなのに口を開くと「あ、この人バカだ…」と周囲に気付かれてしまう人。あなたの職場や学校、友人周りにこんな人はいないだろうか。いや、もしかしたらあなた自身がこの類の人間かもしれない。
では、私たちはどんな話し方をされると「この人バカそう」と思うのだろうか? 2004年に出版され、今なお読まれ続けている『頭がいい人、悪い人の話し方』(樋口裕一著、PHP研究所刊)によると、そこにはいくつかの法則がある。
■自分の価値観だけですべてを判断する
自分の価値観がすべてだと考えているため、他人が別の価値観を持っているかもしれないことを想像できない。そのため、時に相手の言い分を聞かずに断罪してしまったり、周囲から見ると頓珍漢な判断を下してしまったりする。
■矛盾に気づかない
矛盾なく話せる人は案外少ないが、それでも多くの人はどこかの段階で自分の矛盾に気づいて訂正する。しかし頭の悪い人は、自分の矛盾に気づかずに話を進め、いつしか自分でも何を話していたのかわからなくなってしまう。
■むやみに難しい言葉を使う
新しい言葉を覚えたら使ってみたくなるのは仕方ない。しかし、難しい言葉や横文字を多用すると、かえって内容の薄さが際立ってしまうことがある。こういう言葉遣いをする人は、自分でも何を言っているか理解していないことも多く、「何を言っているのかわからないので、わかるように説明してください」と言われるとしどろもどろに…。
■少ない情報で決めつける
まだ情報が少ないうちから「これはこういうことだ」と決めつけてしまうのは、頭の悪い人の典型的な行動だ。物事には複数の側面であり、判断できるだけの情報がそろうまでに一定の時間が必要なもの。先走った断定は判断を誤るだけでなく、周囲から「こいつ、大丈夫か?」と思われてしまう。
■具体例が出ず、話が抽象的
何かをわかりやすく説明したい時に具体例は必須。
「これは〇〇だよ。つまり▲▲ということ」「たとえば□□が当てはまる」「つまり」「たとえば」に続く部分を上手に挙げることができないと、「この人、自分の言っていることが自分でもわかってないんだろうな」となってしまう。
周囲にバカにされるのは「バカなように見えて本当にバカな人」ではなく「本人は賢いオーラを出しているのに、しゃべるとバカがバレてしまう人」である。こういう人を上司が重用することはないし、部下が尊敬することもない。
しかし、「バカだと思われる話し方」がわかれば「賢いと思われる話し方」もわかる。心当たりのある人は、自分の話し方を見直してみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。